愛の不確かさに臆病になってしまいプロポーズに踏み切れない男性は数値やデーターで不変である事を示して欲しいと女性に問いかけた。
　「宇宙の広さはどれくらい？」
　「無限だ」　「どうして分かったの？だれも見た事ないでしょう」　「色んなデーダーから感じとった」
　「愛も感じるものなの」
こうして結ばれた精神に重い病をもちながらもノーベル賞を受賞した天才数学者とその妻との壮絶な病との戦いを描いた映画がビューティフルマインド。
　いうまでもなく本年度のアカデミー作品だ。
　好い映画だった。
幻覚、幻聴に悩まされ、もしかしたら、愛する妻にさえ殺意をもってしまうかも知れないから、自分の前から去って欲しい。と願う夫に対して妻は「もしもの時はいつでも援護して頂けるように病院にはお願いしたわ」と言って夫の闘病生活の支えとなる道を選んだ。
　幻覚と通じ合う事をやめて今、ここにいる私と通じ合うのよ。と自分の身体に夫の手をなぞらせて、心臓に触れた時、「ここで、私達は分り合うのよ」と彼を見つめた。
　ぐ～～あ～～～ん。これを書き込みしててもカラスは泣いている。
　心の病気は一旦かかってしまうと今の医学では特効薬どころか、原因さえはっきりしないとされている難しい病だ。
誰もがかかりえる病なのに、みんな自分にはまず関係ない。と思って日常を過ごしているし、この病気の事を知ろうともせず変な偏見や差別だけを向けている人の多い社会の中でこの戦いは想像を絶するものだったと思う。
　なんせ、これは実話なのだから。
あんまり、ここで、おしゃべりしちゃうとこれから観ようと言う方達に叱られそうなので、最後に一つだけ。
　涙を拭く為には勿論だけど、ハンカチがキーとなりますよ。