AIR-G' FM北海道
カラスの巣箱
2003年6月18日  15:03
世界一のリスナー
右足首骨折。手術。リハビリ。生まれてはじめての経験だ。
車イスも松葉杖も、とても苦労した。
ギブス歩行の今も思うように動かない右足に、身体の疲れは普段の何十倍にもなっている。
 外へ出ると見知らぬ人が手を貸してくれて、助けてくれる。
一生分の「ありがとう」を使い果たしてしまうのでは?と思う程の「ありがとう」を重ねた。
 本当に感謝した。
日頃、人に助けてもらってばかりで、ちゃんと感謝していないカラスに神様が
「心をこめた、ありがとう」とは、を教えてくれたのだと思う。
 
 そして、はじめてこの話しをしたくなった。
 カラスには、右半身が麻痺した障害を持つ叔父がいる。
幼い頃の病気が原因だ。だから、カラスは健康体の叔父を知らない。
でも、叔父さんは不自由な身体でも自分の事は自分でし、家族の為にも進んで家事を手伝っていた。
幼いカラスや弟とも遊んでくれたし、時には文字や算数を教えてもくれた。
でも、叔父がカラスに与えてくれた一番の影響は『ラジオ』だ。
叔父さんはいつも小型のラジオを持ち歩き、イヤフォーンで聴いていて、面白い事があると話してくれて、
いい曲があると聴かせてくれた。
 片時もラジオを離さず、本当に叔父さんとラジオは一体となって生きているようだった。
だから、カラスにはラジオはこんなにも人をいきいきさせる力がある!
なんて、素敵な世界なんだろう!と言う思いが幼い頃から根付いてしまっていたのだ。
 将来、その世界の仕事がしたい。
この思いがカラスの正直なラジオパーソナリティーになろうとした動機です。
偽善がましいし、美談過ぎる。
なんて思って、どこかにこの話しをする事に抵抗心をもっていたのだけれど、
今回、短い期間であれ、足に不自由を感じる生活をしてみて、
カラスとラジオをこんなにも素晴らしい形で巡り合わせてくれた叔父さんの事を思い出し、
ちゃんと話したくなったのだ。
 20才の頃からこの仕事をはじめた。
その頃、叔父はまだ、自宅で過ごしていたので、帰省するたび、叔父とも会っていた。
すると、叔父はニコっと笑って、ちょっとテレたように
「聴いてるぞ」とだけ言ってくれた。
ビックリした、若い子をターゲットにしたプログラムだったので、まさか当時50才を過ぎていた叔父さんが聴いててくれたとは思ってもいなかった。
すごく嬉しかった。
それから、叔父は必ずカラスの番組をチェックしてくれていたようだ。
 叔父はまだ健在だ。でも、寝たきりになって施設にいる。
カラスは施設に移ってからは会っていない。
「もう、だれに会っても分からないから、ショックを受けるより、元気だった頃の叔父さんの思い出だけを心にとめておいて。」
と言うカラスの母の願いに添ったものだが、、、。
 カラスはこの足が治ったら、さらに身体の健康を取り戻したら、叔父に会って来ます!
今の叔父を受け止めても、いつもラジオを離さず、ラジオを愛してやまなかった叔父の姿は、
カラスには焼き付いているから大丈夫と気がついたんだ。
 そして、再びマイクの前に戻る時、今にも増して、
明確にリスナーのあなたを思い浮かべながらおしゃべりできる自分でありたい。と思う。
 
 だって、カラスは世界一素晴らしいリスナーを目の当たりにして育ってきたのだから、
それができるパーソナリティーにならなくっちゃ。
 ねえ。叔父さん。そうでしょう。

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プロフィール
DJ KARASU
DJ KARASU
6月30日生まれ 蟹座 O型
雨竜町出身

フリーパーソナリティとして、AIR-G'では開局以来ずーっとお付き合いさせて頂いてます。
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