AIR-G' FM北海道
リーブルのみや
プロフィール
野宮 範子
野宮 範子
3月14日生まれ 魚座
A型 室蘭市出身

サッカー観戦が趣味。
特技は、本の速読。

ブログタイトルは、好きだった書店から。本を中心に書き込んでいこうと思います!
2011年12月7日  11:31
根岸の冬
いつも
小さな旅の
温かなお土産をくれる
Kちゃん。

「谷根千ぷらりしてきたの」と
おやつを頂きました。
谷中で人気の
かりんとう饅頭と
「atelier de
florentina」の
フロランタン。

かりんとう饅頭は
かりっの食感が楽しくて、
フロランタンは
小さく4等分の
おちょぼ口サイズに
カットされているのが
嬉しいおやつ。


谷根千かぁ・・・

ああ、また、ぷらりと
お散歩してみたいな~。


以前は谷中を中心に歩いたので
今度行くときは
根岸をそぞろ歩いてみたい。


特に「子規庵」


俳人正岡子規の
病室兼書斎だった
小さな日本家屋。

ドラマ「坂の上の雲」では
その壮絶な人生を
香川照之が鬼気迫る演技で
演じていました。

「わしにとっては
この小さな庭が
世界のすべてじゃ・・・」

根岸の小さな木造家屋の縁側から
人生の深遠を透視し
五七五の短歌に凝縮し続けた子規。

当時は不治の病だった結核に冒され
35歳で夭折するまで
「もっと詠みたい
もっと書きたい
もっと生きたい」と
命の炎を燃やし尽くしました。

その闘病を一心に支え続けたのが
妹の律です。

ドラマでは菅野美穂が
健気に気丈に
律を好演してましたね。


自身は二度の離縁の後
嫁ぐこともせず、
楽しい物見遊山もせず、
身を飾ることもなく
ただひたすらに兄の看護と
筆記など句作の手伝いを
一身を犠牲にしてまっとうした律。

子規の没後
尋常小学校しか出ていなかった律は
共立女子職業訓練学校に入学
裁縫や修身、国語、算術などを学び
卒業後は母校の専門教員となりました。

兄の「もっと詠みたい」という遺志を
律なりに受け継いだのでしょう。

学びたいときが
学び時。

明治期の律の生き方が
教えてくれること、
たくさんあります。

名を立てようと思わず
富を得ようとも思わず
ただひたすらに
大好きな「あにさん」を
愛し、助け、支えた律の誠の人生。

晩年は子規庵で裁縫教室を開きながら
子規の遺品と庵の保存に努めた律は
子規庵保存会の初代理事長に
就任しています。

子規の世界の全てだった
小さな木造家屋は
関東大震災と
空襲による焼失に遭いながら
昭和25年、当時のままに再建、
根岸の地に子規庵の姿を
今に留めます。

お散歩してみたいな。
冬の根岸。

どこからか
「律ぅ~」
「あにさん」
兄妹の呼び合う声が
聞こえてくるかもしれない。


子規が
妹、律を呼んだ句。

冬の根岸を想像しながら
かみしめる。


『餅切ると指切りし妹に
胸さわぐ』



『なでしこは妹がかへ名か
ありかたや』


兄もまた、
妹を愛し続けていました。


このBLOGのトップページ  前のページに戻る
2011年12月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
前の月   次の月