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2012年2月12日

津軽海峡

今週のキーワードは<津軽海峡>。
水深は、日本海や太平洋に比べると浅い海なのですが、どうやら、単なる水路ではないのです・・・。
お話を「北海道大学大学院水産学部 准教授 磯田 豊さん」に伺いました。
磯田 豊さん
北海道の南端(渡島半島)と本州の北端(津軽半島・下北半島)に挟まれ、日本海と太平洋を結んでいます。
西側の松前の辺りと竜飛岬、東側は恵山岬と大間の辺りの間が最も狭く、共に20km程の距離。広い場所では約50kmの幅。
東西の長さは約90kmで、ここに日本海を北上する対馬暖流が流れ込み、北太平洋へと抜けて行きます。
その流れがとても強いのだそう!
それは、日本海側の水位が20cm高く、その水位差で一方方向に流れてくるのです。
単位時間内にどれだけの水が流れるのかというと石狩川の約1000倍ですって! 速度平均2~3ノット。日本周辺の海流で一番強い流れは黒潮で1~2ノット、世界中を周っている海流よりも強い流れが津軽海峡にはあり、プラス、潮の流れが重なり合って、より速い流れをつくるのだそう。
更に、その両脇には渦もあり、ただ真っ直ぐに流れているだけでもありません。
「北海道に固有種が存在するのは、単に海峡があるからではなく、そこを通過する強い流れが生物の大きな障害になっていることが影響しているだろう。」とも先生はおっしゃっていました。
動植物の分布境界線「ブラキストン線」もよく知られていますね。
山が2つも3つもあるという、デコボコした海底地形も特徴的。
そこに海流がぶつかり、水が湧き上がっているそう!
津軽海峡
海面では、下からボコッと船より大きなスケールでいくつもいくつも湧き上がりが確認できるそうです。
これにより深いところにある栄養塩が光の届く海面まで持ち上げられ、栄養豊富な海をつくっているという秘密もあったのです。
また、津軽海峡の出口、戸井くらいまでは、ベーリング海を起源とする親潮系の水も入ってきているそう。
亜寒帯系と亜熱帯系の水がせめぎ合っている海峡でもあるのです。
北の方の魚も、南の方の魚も獲れる地点もあるのですね。
水産庁では、日本の海域の水温や塩分などをモニタリングするラインをもち、戦後からずっと行われているそうですが、津軽海峡だけはないそうです・・・流れが強すぎて機械が海中のデコボコ地形にぶつかってしまい、安全にモニタリングする事が難しいのだそうです。

●今週のプレゼントは“津軽海峡のお塩”を2名の方に。

★番組の感想をそえて、2月18日(土)までに応募してください。
津軽海峡のお塩
○来週のキーワードは「函館の水道」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約1時間。
大潮と小潮の時もわかりにくく、釣り人にとってはいつ竿を入れると良いか読めないそうです。タンカーなどの大型船も通るために、結構、重要な海峡なんですって。

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山口 由美
Yumi Yamaguchi

私たちの住む、ここ北海道には、まだまだ、知らない自然や文化、そして歴史の魅力が一杯あると思いませんか。

知っているようで知らない「コト」や「モノ」の宝庫。まさに北海道は宝島ですね。

この番組は、毎週いろいろなキーワードについて、北海道の自然が持つ魅力や不思議をゲストの方のお話を交えながら、楽しくゆったりとお送りするプログラムです。

さて、今週はどんな宝物に出会えるでしょうか。