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[過去の放送]

2012年2月26日

雄冬岬

今週は、北海道日本海側の景勝地<雄冬岬>がテーマでした。
お話をうかがったのは「増毛町教育委員会文化振興係 主任学芸員 小野卓也さん」です。
語源は、アイヌ語で「燃える」という意味のウフイからきています。岩礁が鉄分を帯び、この辺りの海岸線が赤く見えることからではないかと言われています。
小野卓也さん
この地域一帯は断崖絶壁の中にあり、かつては浜益から増毛までの約30kmに、車の通れるような道路はなく、人が歩ける程度の「増毛山道」しかありませんでした。
それで、雄冬集落は長い間「陸の孤島」と呼ばれていました。
物資などの輸送も含め全て海運に頼っていました。
昭和初期は小樽を起点に船が往復。
その航路が無くなり、昭和30年頃からは雄冬~増毛間を行き来する船「雄冬丸」が通常1日1往復運航していました。
集落が孤立していた事もあって共同体としての団結力や親密性は他地域よりも強く、家族のような一体感があったようです。
国道231号の浜益・雄冬間が開通したのは昭和56年(1981年)。
しかし、その直後に雄冬岬トンネルで大規模な崩落事故が発生。
再開通したのは3年後の昭和59年。昭和33年の着工から20年以上の歳月を要したのです。
とはいえ、開通後も冬期間は通行止めで、1年中、通れるようになったのは平成4年から。
雄冬丸の役目もここで終えたのです。
収録中風景
現在の雄冬地区の人口は40世帯・約80人。
主に江戸末期から明治にかけて移り住んだ人達の末裔の方々が暮らしているようです。
長い間、交通や物資の流通でも海を活用し、人々が生きる糧であったのも海・・・「まさに恵まれた海に守られてきた地域」ともおっしゃっていました。
現在では展望台なども整備され、北海道を代表する景勝地、観光スポットとして変貌を遂げている雄冬岬。
崖が迫ってくる雄大な景色が魅力的!開けた海の長めの展望は素晴らしく、また、美しい夕日も楽しめます。

●今週のプレゼントは“双眼鏡”を2名の方に。

★番組の感想をそえて、3月3日(土)までに応募してください。
双眼鏡
○来週のキーワードは「垣ノ島遺跡」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
船が出ていたいのを覚えています。あの山並みから出ている岬の風景は国道を進んでゆくと、はっきりわかりますよね。それを越えようとしたのですから時間がかかるわけですね。

2012年2月19日

北海道の水道

今週のキーワードは<北海道の水道>。
北海道に最初に水道ができたのは函館です!
お話を伺ったのは「北海道教育大学函館校 教授 根本直樹さん」です。
根本直樹さん
国内初の近代水道は1887年(明治20年)、外国人の設計・監督により横浜で始まりました。
その2年後、明治22年に函館に敷設されています。
国内2番目の函館水道は日本人技師によるもの。近代水道をつくる上で日本人が取り組んだのは初めてでした。
実は、着手したのは横浜よりも早かったのですが、この時に大火が発生し復興を優先、計画は取り下げられたのです。
函館の街は海岸地帯から近いため、井戸を掘っても塩水になってしまい、適した飲料水が取りにくかったといいます。
また、川を流して飲料水としていたので衛生的ではなく、コレラの発生により多くの市民が犠牲になりました。
そのため市民の間で水道設置に対する要望が強く起こっていたのです。
最初は、当時の市街地だった函館山周辺に敷設。
配水管には木管の話も出ていたそうですが、長期的な見方をして良いものをと鋳鉄の管を使用。
数十軒共同でライオンマークの取水口があり、ハンドルで開け閉めし、そこに皆が給水に来ます。
取材中風景
このような配水場を何ヶ所かに分けて設置。
段々、拡張されていきました。
函館水道は、函館の都市化に関しても大変な意味があったと先生はおっしゃいます。
大火が多かった函館に、防火栓・防水などの消防体制にも大きな影響を与えたのです。
すると、防火体制も良くなった事で、人々は家に投資するようになり、函館の街はどんどん都市らしくなっていったといいます。ちゃんとした生活水があって、また、水から波及していく面でも水道は大事な要素だったのですね。
北海道初、函館の元町配水場は100年以上たった今も残され、現在もその役割を果たし続けています。
100周年を記念して平成元年からは水道公園として整備され、市民の憩いの場としても利用されています。
配水池や、当時のレンガ造りの建物も現役で管理事務所として使われています。

●今週のプレゼントは「電器ポット」を2名の方に。

★番組の感想をそえて、2月25日(土)までに応募してください。
電器ポット
○来週のキーワードは「雄冬岬」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約40分。
この水道で街が整備されて、より住みやすくなり人も集まってくるようになったのですね。しかし、函館は公園などの公共施設を市民が作ってゆくという先進的な街なのですね。

2012年2月12日

津軽海峡

今週のキーワードは<津軽海峡>。
水深は、日本海や太平洋に比べると浅い海なのですが、どうやら、単なる水路ではないのです・・・。
お話を「北海道大学大学院水産学部 准教授 磯田 豊さん」に伺いました。
磯田 豊さん
北海道の南端(渡島半島)と本州の北端(津軽半島・下北半島)に挟まれ、日本海と太平洋を結んでいます。
西側の松前の辺りと竜飛岬、東側は恵山岬と大間の辺りの間が最も狭く、共に20km程の距離。広い場所では約50kmの幅。
東西の長さは約90kmで、ここに日本海を北上する対馬暖流が流れ込み、北太平洋へと抜けて行きます。
その流れがとても強いのだそう!
それは、日本海側の水位が20cm高く、その水位差で一方方向に流れてくるのです。
単位時間内にどれだけの水が流れるのかというと石狩川の約1000倍ですって! 速度平均2~3ノット。日本周辺の海流で一番強い流れは黒潮で1~2ノット、世界中を周っている海流よりも強い流れが津軽海峡にはあり、プラス、潮の流れが重なり合って、より速い流れをつくるのだそう。
更に、その両脇には渦もあり、ただ真っ直ぐに流れているだけでもありません。
「北海道に固有種が存在するのは、単に海峡があるからではなく、そこを通過する強い流れが生物の大きな障害になっていることが影響しているだろう。」とも先生はおっしゃっていました。
動植物の分布境界線「ブラキストン線」もよく知られていますね。
山が2つも3つもあるという、デコボコした海底地形も特徴的。
そこに海流がぶつかり、水が湧き上がっているそう!
津軽海峡
海面では、下からボコッと船より大きなスケールでいくつもいくつも湧き上がりが確認できるそうです。
これにより深いところにある栄養塩が光の届く海面まで持ち上げられ、栄養豊富な海をつくっているという秘密もあったのです。
また、津軽海峡の出口、戸井くらいまでは、ベーリング海を起源とする親潮系の水も入ってきているそう。
亜寒帯系と亜熱帯系の水がせめぎ合っている海峡でもあるのです。
北の方の魚も、南の方の魚も獲れる地点もあるのですね。
水産庁では、日本の海域の水温や塩分などをモニタリングするラインをもち、戦後からずっと行われているそうですが、津軽海峡だけはないそうです・・・流れが強すぎて機械が海中のデコボコ地形にぶつかってしまい、安全にモニタリングする事が難しいのだそうです。

●今週のプレゼントは“津軽海峡のお塩”を2名の方に。

★番組の感想をそえて、2月18日(土)までに応募してください。
津軽海峡のお塩
○来週のキーワードは「函館の水道」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約1時間。
大潮と小潮の時もわかりにくく、釣り人にとってはいつ竿を入れると良いか読めないそうです。タンカーなどの大型船も通るために、結構、重要な海峡なんですって。

2012年2月5日

イシカリワカサギ

今週のキーワードは、
日本では北海道だけに生息する<イシカリワカサギ>。
お話を「札幌市豊平川さけ科学館学芸員 
有賀 望さん」にうかがいました。
有賀 望さん
北海道にはワカサギとは別にイシカリワカサギと分類される種もいるのです。
普通に「ワカサギ」と呼んでいるものは、日本では移殖放流され、全国的に分布しています。
しかし、世界的にみると千島列島やカラフトくらい迄しかいません。
一方、日本では珍しい「イシカリワカサギ」は、朝鮮半島からシベリア・アラスカ・カナダの西部まで、広く生息しているのです。
主に石狩川の古川・余市川古川・釧路川水系の塘路湖・十勝川水系幌岡大沼・オホーツク海側の渚滑川・天塩川水系ペンケ沼等、流れのあまりない池や沼・海跡湖等で確認されています。
以前、日本ではワカサギ属は「チカ」と「ワカサギ」の2種類の分類でしたが、1957年、石狩川古川で発見され違いを認定、イシカリワカサギと名付けられました。それ以降、3種類に分別されています。
イシカリワカサギの大きさは10から15cm。アブラビレが若干長い、すこしズングリして見える等の違いはあるものの、見た目では区別できません。
取材中風景
専門家でも解剖して気道の位置を調査しないと判断できないそうです。
ワカサギの孵化事業ではイシカリワカサギの生息場所に放流することもあるようです。
又、そこから親も捕獲するので混ざっている可能性も考えられます。
ワカサギ漁をしている所では、仮にイシカリワカサギが捕れていたとしても見分ける事もできませんし、味も変わらないようで、知らずに食べているかもしれません!
生息環境も限られ、数も少ないく、環境省の準絶滅危惧種にあげられています。でも、ワカサギと見分けがつかないからなのか、釣りを禁止されているような制限のある種というわけでもないそうです。
また、研究対象とする専門家もあまりいらっしゃらないそうで、情報も少ないようです。
まだまだ知られていないイシカリワカサギなのですね。

●今週のプレゼントは“ワカサギの佃煮”
を2名の方に。

★番組の感想をそえて、2月11日(土)までに応募してください。
ワカサギの佃煮
○来週のキーワードは「津軽海峡」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
札幌近郊のワカサギの釣れるポイントにもいる可能性があって、そこでとれているかもしれないとのこと。とすると、もしかしたら釣って食べているのかも。

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山口 由美
Yumi Yamaguchi

私たちの住む、ここ北海道には、まだまだ、知らない自然や文化、そして歴史の魅力が一杯あると思いませんか。

知っているようで知らない「コト」や「モノ」の宝庫。まさに北海道は宝島ですね。

この番組は、毎週いろいろなキーワードについて、北海道の自然が持つ魅力や不思議をゲストの方のお話を交えながら、楽しくゆったりとお送りするプログラムです。

さて、今週はどんな宝物に出会えるでしょうか。