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2008年11月14日

ジャコモ・プッチーニのお話

先日友人から、今月29日に渡辺淳一文学館で、
プッチーニが作曲したアリアのコンサートがあるから
行かない?という誘いを受けました。

今年はイタリアの大作曲家、プッチーニ生誕150年に当たるんですね。
なので、全国各地でプッチーニ生誕150年の記念コンサートが開催されたり、
記念CDが発売されたりしているんです。

プッチーニと聞いて皆さんは、どんな曲を思い浮かべるでしょうか?
蝶々夫人の「ある晴れた日に」でしょうか?
トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」という方も多いでしょうね。

2006年のトリノ冬期オリンピックで、パヴァロッティが開会式で
トゥーランドット姫のオペラから「誰も寝てはならぬ」を熱唱し、
荒川静香さんがイナバウアーを披露したフィギュアスケート・フリー時に
この曲を使って、金メダルを取ったこと。
覚えてらっしゃる方も多いと思います。
トゥーランドットはプッチーニの遺作です。

と言うことで、今日は「ジャコモ・プッチーニ」のお話です。

「お砂糖は、脳のエネルギー源」ということで、
この番組では毎月一回頭脳明晰で後世に名を残した人物にスポットを当てています。
今日は、イタリアの偉大なる作曲家「ジャコモ・プッチーニ」を
ピックアップするのですが、皆さんは、パヴァロッティと
荒川静香さんですっかり有名になった「誰も寝てはならぬ」は、
どんな場面で歌われるかご存じですか?

まずは、プッチーニの最後の作品
「トゥーランドット」のあらすじを、紹介しましょう。

この物語は、伝説時代の北京。
主人公のトゥーランドット姫は、とても美しいが、冷酷なお姫様だったのです。
トゥーランドット姫と結婚するには3つの謎を解かねばならず、
しかも失敗すれば首を切られれてしまうのです。
実際に処刑が行われている最中、ダッタンの王子カラフが現れます。
ひと目見て姫に惚れたカラフは、大臣たちが止めるのも聞かず、
謎解きに挑戦します。群集が見守る中、次々と正解を出すカラフ。
しかし姫は彼との結婚を拒みます。
そこでカラフは、姫に「明朝までに私の名を解けるならば、命を断つ」と
逆提案をするんですね。カラフは、自分の名を隠して旅を続けていますから、
誰も彼の名を知るはずはなかったのです。
そこで姫は、「彼の名が分かるまで誰も寝てはならぬ」と命じるんですね。
この時に歌われる曲こそが、「誰も寝てはならぬ」です。

その後、どうなったのかというと、人々は「彼の名を明かせ」と
カラフに同行していたリューを責め上げるのですが
カラフを愛するリューは口を割らずに自害します。
愛の犠牲をみて姫の心も溶け始め、
そして、カラフは自らの名を姫に明かすのですが・・・。
なんと、姫は「彼の名は愛!」と叫び、2人は結ばれるというお話です。

ものすごく、強引ではありますが、めでたしめでたしで、幕は閉じます。

さて、このオペラはプッチーニが自分で完成できなかったことはあまりにも有名です。
プッチーニはリューの最期とそれに続くシーンを
書き終えた時点で世を去ってしまったんですね。
けれども、それから先のスケッチは30数ページもの
楽譜によって残されていたのだそうです。
その中には、トゥーランドットのアリア「初めての涙」の
ヴォーカルラインとハーモニーのアウトライン。
カラフの自分の名の暴露と最後のファンファーレと合唱が
メモ的に残されているらしいのですね。
これをもとにオーケストレションをしたのがプッチーニの親友で
自身も作曲家のフランコ・アルファーノ。
彼はプッチーニの意図をくみ取りつつ終幕のこの場面を補筆完成させました。

ところで、プッチーニ家は、18世紀から連綿と続く
ルッカの宗教音楽家の家系なんですが、
この中で唯一オペラ作曲家を目指し、なおかつ今日、
唯一世界的音楽家として名声を残したのがジャコモ・プッチーニ。
1858年12月22日イタリアのルッカに生まれ、
1924年11月29日ベルギーのブリュッセルでなくなっています。

最初は教会オルガニストの職を得たのですが、
ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ、「アイーダ」の上演に接して
オペラ作曲家を志します。
ミラノ音楽院にて苦労を重ねた末、
第3作の「マノン・レスコー」は大成功したばかりか
優れた台本作家の協力をももたらすきっかけとなりました。
彼らの協力のもとに、「ラ・ボエーム」や「トスカ」、
「蝶々夫人」の3曲が書かれています。
この3曲に、遺作の「トゥーランドット」を加えた4つが、
今なお世界中で愛され、数々の名演奏を残している
プッチーニの4大オペラです。

プッチーニ生誕150年の今年もあとわずかになりましたが
機会があったら、プッチーニに触れてみては如何でしょうか。

それじゃあ、また来週。


  
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