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2008年9月12日

ルーシー・モード・モンゴメリーのお話

「砂糖は脳のエネルギー源」ということで、毎月一回この番組では
頭脳明晰で後世に名を残した人物にスポットを当てています。

今日は、大きな瞳に、そばかすだらけの顔、長い赤毛を三つ編みにした
やせっぽちの女の子が主人公の「赤毛のアン」を生み出した
作家「ルーシー・モード・モンゴメリー」をピックアップします。

「赤毛のアン」ことアン・シャーリーは誰もが知っている魅力的な女の子です。

「赤毛のアン」の舞台となったのはカナダのプリンスエドワード島。
ここを訪れる観光客は年間百万人。日本人だけでも二万人に上るといいます。
この物語の作者モンゴメリーは、この島で生まれ育ち、
この島をこよなく愛した女性です。

躍動感あふれる少女を生み出した彼女の生い立ちは、
決して幸せなものではありませんでした。

1歳9か月の時に母親が亡くなり、祖父母の家に引き取られることになります。

繊細で感受性が強く、9歳の頃から詩を書いていました。
彼女が12歳の時に父親が再婚し16歳の時にカナダ西部で
生活する父親の元に引き取られますが
若い継母になじめず、一年ほどで島に戻ります。

彼女は、どんなに苦しいときでも書くことを諦めなかったといいます。

それから先は、学校を卒業し、教師になったものの、祖父が亡くなったことにより
祖父のやっていた郵便局を引き継いだ祖母を助けるためやむなく教師を辞めることに。

郵便局の仕事、教会学校の先生、家事、祖母の世話をなんとかこなし
それでもペンを持つ時間を作りだしていました。
作家として成功したい。
彼女の胸の中には、常にこの夢がフツフツと湧いていたのです。

そんな彼女は、小さい頃から、物語の材料になりそうなことを
書き留めておく癖がありました。

1904年の春の事、ふと数年前に書いたメモに目をとめました。
近所の人が孤児院から女の子を引き取ったという話を聞いてひらめいたアイデアでした。

「年配の夫婦が孤児院に男の子を依頼したところ、手違いで女の子が送られてきた」
彼女は、自分のこのアイデアを読み返して、「これだ!」と直感したそうです。
「アンという名前はすぐに頭の中に浮かびました。
 頭の中でヒロインのアンがどんどんふくらんで、
 現実に存在する少女のように感じられた」と彼女は語っています。

こうして、毎日、家事や雑事を終えると執筆活動に専念し、
「赤毛のアン」を数カ月で完成させました。

ところが、書くことにこれほど喜びを感じたのは初めて」というほど
打ち込んだ原稿は、送ったアメリカの5つの出版社から、
次々と送り返されてきたんです。

すっかり意気消沈したモンゴメリーは、アンの原稿を帽子箱に押し込んで
屋根裏部屋の納戸に放り込んでしまいました。

それから、2年ほどして、屋根裏で探し物をしていた彼女は
偶然その原稿を見つけ、読み返してみたら
「そう悪くない」と思いました。

そこで、アンの物語にもう一度賭けようと、
1907年の冬、原稿をボストンのページ社に送ってみたのです。

すると、思いがけず、承諾の返事が届き、そればかりか、
「続編も書くように」と言ってきたのです。

こうして、世に送り出されることになったのが「赤毛のアン」です。

1908年6月20日、「赤毛のアン」が出版された日の日記に
「今日はわが人生最良の日。偉大な本なんかじゃない。
 でも、私がいなかったらけっして生まれてこなかった本」と記しています。

モンゴメリー、33歳の時でした。

そしてこの物語はベストセラーになり、彼女の元に世界中から
ファンレターが寄せられました。

「トム・ソーヤの冒険」の作者、マーク・トウェインから
「あなたは、あの不思議の国のアリス以来の、
 もっとも楽しい、また最も愛すべき少女を創造してくれました」
という手紙も届きました。

モンゴメリーは、この手紙を受取って、本当に誇らしい気持ちだったでしょうね。

では、また来週。


  
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