砂糖は脳のエネルギー源ということで、毎月一回、
頭脳明晰で広く世の中に名を知られた人物にスポットをあてています。

今日は、イタリアのブランド「エミリオ・プッチ」の創業者、
エミリオ・プッチをピックアップします。

ここ数年売り上げが右肩上がりで、完売御礼の商品も
数多くみられるファッショングッズといえば、レインブーツです。

梅雨のある地域では、今や欠かせないものとなってきたようです。

そのレインブーツの日本での火付け役は、といえば、
グッチでも、シャネルでもなく、エミリオ・プッチなんだそうですね！

色鮮やかなプッチ柄のレインブーツが登場したのは3年ほど前。

それまでは、かわいいデザインのレインブーツがなかったため、
おしゃれに敏感な女性の間で広がり、昨年、一気に人気が爆発。
プッチは、飛ぶように売れているんだそうですが、
世界中でも、レインブーツが完売になるのは、日本だけなんだそうですね。

エミリオプッチといえば、プッチ柄と呼ばれる
幾何学模様（ジオメ柄）で有名な一流ブランド。

とにかくユニークなデザインは、他のブランドは一線を画しています。
マリリン・モンロー、エリザベス・テーラー、ジャクリーヌ・ケネディ等、
アメリカのセレブにこよなく愛されたエミリオプッチは
日本でも憧れのブランドです。

「エミリオ・プッチ」の創業者エミリオ・プッチは1914年生まれ、
1992年にすでに他界しています。

彼は、プリントの王子　の異名を持つイタリア・ナポリ出身の
男性ファッションデザイナーであり、政治家でもありました。

フィレンツェの公爵家に生まれ、1934年から1935年にかけて
スキーナショナルチームに所属、彼自身がデザインしたスキーウェアを着ていました。

ミラノ大学卒業後、アメリカの大学で学び、その後イタリアに帰国。
フィレンツェの大学で、政治学で博士号を取得。
第二次世界大戦中にはイタリア空軍でパイロットを経験し、
その後、政治家になりイタリア議会にも10年間在籍していました。

勉強家で、様々な才能に恵まれた彼が、デザイナーとして、
思わぬデビューを果たすきっかけとなったのは、1947年に
高校時代のスキーウェアを雑誌「ハーパース・バザー」に掲載し、
これが予想外の人気を得たことでした。

その後はこの雑誌から、女性用の冬服デザインを依頼され、
ニューヨークで売り出され、スポーツウエアのデザイナーとして
評判を高めることになるんですね。

高級スキーウェアのデザインを請け負ったプッチは、
翌年故国のカプリ島での休暇中、彼のガールフレンドのために
リゾートウェアをデザイン。

アメリカで教育を受けたプッチの合理性と、
カラフルな光溢れるイタリアの小島のムードを合わせ
プッチ独自の「太陽と紺碧の地中海に過ごす
ごくわずかな人のための」デザインが誕生しました。

この時、ヴォーグ誌は、「カプリのエミリオ」
「イタリアから全ての南の島へ」というコピーで
彼のデザインを紹介しました。

スポーツウェアから始まり、50年代にカジュアルエレガンスの
代表である先の細いパンツ、カプリルックを発表。
ショーツ、リゾートドレス、鮮明なプリント柄など
大胆な図柄と色、独特の幾何学模様のテキスタイル
いわゆるプッチ柄が世界中のセレブの人気を集め、
故に、プッチは、「プリントの王子」の異名を持つようになります。

そして、彼はスポーツウエアのデザイナーや、
異業種とのコラボレーションなどで次第に評判を高めてゆきます。

アメリカを中心に各国のセレブに受け入れられ、
洋服の他に、カーペットなども作りました。

1964年にはアメリカ、ブラニフ航空の客室乗務員の制服をデザイン。
1971年には、アポロ15号の使節団のロゴなどを作っています。

エミリオ・プッチ亡きあと、ディレクターは移り変わりましたが、
2003年春夏から、クリスチャン・ラクロワが
アーティスティック・ディレクターを務めていますね。

その翌年の2004年、日本では「エミリオ・プッチ銀座店」が
東京銀座にオープンし、ちょっと身近なブランドになったような気がします。

プッチのレインブーツといえば、数万円ですから、
とても、おしゃれ長靴なんて呼ぶレベルではありませんが
ヒールが高く、大人っぽいデザインのレインブーツがあれば、
雨の日のお出かけも、とっても楽しくなりそうですね。

それでは、また来週！