ライブ&イベント タイムテーブル DJ メール プログラム 特別番組 ゲスト情報 最新情報 TOP
  AIR-G' ON AIR LIST
放送中のプログラム キリンビバレッジ presents 47のチカラ~私の別格~ 12:00~12:25

[過去の放送]

2008年3月7日

レントゲンのお話

この番組では、「お砂糖は脳のエネルギー源」という事で、
毎月1回頭脳明晰で、後世に名を残した人物にスポットを当てています。
4月から、将来の自分の夢に向かって新しい一歩を踏み出す人も多い事でしょう。
将来この日本を背負って立つような立派な職業を目指している皆さん、
今日は学生時代に意外なエピソードを持つ偉人を紹介します。

その偉大なる人物とは、エックス線の発見で、第1回ノーベル物理学賞を受賞した
「ウィルヘルム・コンラート・レントゲン」なんですよ。

骨折した時とかに撮るあのレントゲンって、人の名前だったんだって、
今知った方もいらっしゃるかも知れませんね。

ウィルヘルム・レントゲンは、ドイツで生まれ、
子供の頃にオランダに移り住んで、そこで初等教育を受けるんですが、
なんと、卒業目前に教師にいたずらをした友人をかばったため、
中等教育の学校に進めなかったんです!
皆が行く学校に進学出来ないって、これはかなりショックですよね。
でも、偉人というのは、くじけない人の事をいうんでしょうね。
彼は2年半、オランダの工業高校で学ぶことになるんですが、
その後、チューリッヒ工科大学の機械工学科に進学できたんですよ。

そのチューリッヒ工科大学で物理学を教えていた、
アウグスト・クントに感化されて、レントゲンは物理学者となりました。
やがて、チューリッヒ時代から交際していた6歳年上のアンナ・ラディッグと結婚。
アンナは後に、有名な右手のX線写真のモデルを務めています。
そして、1895年、彼がクルックス管で陰極線の実験をしていた時、
その近くにあったシアン化白金バリウムを塗った板が
蛍光を出していたのを観察し、不透明な物体をも通す放射線を発見し、
これをエックス線(未知なる線)と名づけました。

翌年1月には、妻の薬指に指輪をはめて撮影したものや、
金属ケース入りの方位磁針など、数枚のエックス線写真を
論文に添付して著名な物理学者に送りました。

エックス線写真という非常にわかりやすい結果を伴っていた事、
そして、それまでの研究でレントゲンが物理学の世界で
一定の名声を得ていた事から発表は急速に受け入れられたんです。

1月23日には、彼の地元でも講演会と実演を行ないました。
ただし、レントゲンは発表が非常に嫌いだったため、
これが唯一の講演会だったとされています。

そして、このエックス線の研究で、レントゲンは、
第1回ノーベル物理学賞を受賞することになるんです。

後に、この大発見をした時に、一体何を考えたのですか?と質問されたレントゲンは
「考えはしなかった。ただ実験をした」と答えています。
エックス線の正体は約20年後にはっきりしましたが、
今日の医療診断には欠かせないばかりではなく
物理・工業の発展に大変役立っています。

彼は、自分に対する世間の大騒ぎに頓着することなく、
その後も、科学研究に励みました。
しかも、この偉大な発見の特許権を主張することを控えたんですよ。
「誰もがいつでも人類福祉のために利用できるように」
これが、彼の願いだったんですね。

本当の偉人というのは、まさに彼のような人物を指すのでしょうね!
人類の歴史に偉大なる足跡を残したレントゲンに感謝して。
この春、私も頑張らなくっちゃと、決意を新たにするのでした。

では、また来週!


  
番組トップへ前のページに戻る
過去の放送
2008年3月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
前の月   次の月
過去の放送リスト
坪田佳代子
Mail
日本甜菜製糖株式会社