「お砂糖は脳のエネルギー源！」ということで、毎月一回
この番組では、頭脳明晰で後世にの名を残した人物にスポットを当てています。

今月は、9月生まれのミステリーの女王「アガサ・クリスティ」をピックアップします。

誰もが、その名を知っているアガサ・クリスティ！
アガサ・クリスティが、どれくらいすごいのかというと、
かのギネスブックで「史上最高のベストセラー作家」に認定されているほどなんです。
現在確認できているものだけでも、長編66作、中短編156作、戯曲15作など
膨大な作品を執筆した、イギリスの推理作家です。

本名は、アガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティ。

1890年9月15日、3人兄弟の末っ子の次女として誕生。

父は、アメリカ人で、母はイギリス人です。
彼女は、極度の人見知りで、取材が大嫌い！

日本でも早くから紹介され、現在は早川文庫からクリスティ文庫として
ほぼ、すべての作品が翻訳出版されています。

彼女の作品は、100カ国以上で翻訳され、世界で10億部も出版されたといわれ
聖書とシェークスピアの次によく読まれているんだそうです。

アガサは子供の頃に父親を亡くし、母親が女手ひとつで育てました。
正規の学校教育は受けず、お母さんが自ら教育していたそうです。
因みに、彼女が詩や短編小説を書くことになったきっかけは
インフルエンザにかかった時に、読む本がなく、
それで自分で書いた・・・、というわけなんですね。
そして、母の勧めで雑誌に投稿するようになりますが
16歳のときに、オペラ歌手を目指してパリの音楽学校に入学しています。
しかし、すぐに退学し、また小説を書き始めます。

第一次世界大戦が始まった1914年に軍人のアーチー・クリスティと結婚し
戦争中は、夫が従軍していた事もあり、志願して、
看護助手としてトルコに派遣されます。
この時の知識が、のちに推理小説で毒薬を扱うときに役立ったということです。
その後、1920年代になって「ポワロ登場」など
多くのミステリーを出版するようになり
彼女の名声も徐々に高まっていきました。

1926年に出版された「アクロイド殺し」は
そのトリックの大胆さが、大反響を呼びました。

ところが、この年の12月アガサはなぞの失踪を遂げているんですね。
かの有名な、アガサ・クリスティ失踪事件です。

この年の春に母親が他界し、8月には、夫アーチーが
他の女性と結婚したいと離婚を迫るなど
精神的に追い詰められていたんですね。

結局11日後、保養地にあるホテルに、
なんと夫の愛人の名前で宿泊しているのを発見されました。

彼女はその11日間のことを全く覚えていないと語り、
記憶喪失として片付けられました。

真相は、今も謎のままです。

でも、どうして夫の愛人の名前で宿泊していたんでしょうね。
普通は、もっとも思い出したくいない名前でしょうに。

結局、この2年後2人は、正式に離婚。
さらに2年後、彼女は14歳も年下の考古学者と再婚し、
幸せな結婚生活の中「オリエント急行殺人事件」や、
「そして誰もいなくなった」など名作を次々に発表していきました。

アガサ・クリスティは、今から30年前の1976年に亡くなりましたが
今も、読み継がれ、祖国イギリスでは「デイム」の勲章も授与され
生涯活躍し続けた作家でもありました。

エルキュール・ポワロや、ミス・マープルなど多くの名探偵を生み出したアガサ。
そんな彼女ですから、余程の推理小説好きかと思いきや
歴史に燦然と名前を刻んだ彼女が、推理小説を書き始めたのは、
意外な事がきっかけだったんです。

アガサは、姉から「あなたには、探偵小説は書けないわよ」といわれ
それに反発して探偵小説を書き始めるようになった、ということなんですね。
お姉ちゃん！私にだって、探偵小説は書けるのよ！
っていうか、朝飯前って感じよ！！
そうアガサが言ったかどうかは、分かりませんが
とにかく、負けず嫌いだったことは間違いないようですね。

作家というのは、自分の身を削り、不幸せな生涯を送る人も多い中で
アガサは、再婚相手のマックス・マローワンと幸せに暮らしたわけですから
そういう意味でも、羨望の才女といえるのではないでしょうか。

では、また来週！