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2007年10月5日

お月見のお話

今日はお月見のお話です。

秋は、虫の音と、お月見。美しい月を愛でる習慣はとても、風流なものですよね。
お月見といえば、仲秋の名月、十五夜。
これは、旧暦の8月15日のことで、今年は、9月25日でした。

ところで、皆さんは、十三夜というのをご存知でしょうか?
日本では、十五夜だけではなく、十三夜にもお月見をする風習があり、
旧暦9月13日に行われるのが十三夜です。

今年の十三夜は、10月23日火曜日なんですね。
9月25日の十五夜にお月見が出来なかったという方も、
もう一回お月見のチャンスがあるんですよ。

日本各地には、「十五夜をしたなら、必ず十三夜もしなければならない」という言葉が
伝えられていて、片方の月だけを見る片見月を嫌う風習があったようです。
これは、日本の気候パターンでいくと、十五夜よりも
十三夜のほうが晴天を期待できるという事から
「2回のお月見のうち、どちらか一方は必ず月をおがみ、
 その年の収穫を祝うとともに翌年の豊作を祈願したい」という
強い気持ちの表れなのかもしれませんね。

十五夜のお供え物にはさまざまなものがあります。
代表的なものでいうとススキと月見団子といったところですね。
秋の七草を飾る場合もあります。
また、この時期に採れた収穫物、たとえば、ぶどう、柿、松茸、梨なども、
一緒にお供えすることがあります。
また、十五夜は、芋名月とも呼ばれ、サトイモなどもお供えされます。

一方、十三夜は、、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれていて、
十三夜には、月見団子の他に栗や枝豆をお供えします。
また、十五夜と十三夜に供えるものを、ススキの本数や団子の数で
区別しているところが、各地にあるそうですよ。

十五夜に供えられるススキは適当な空きびんか花びんにさすのが一般的ですが
かつては地域によって「ハクチョウ」と呼ばれる注ぎ口の長い徳利が利用されていました。
ススキの本数は、まれに15本というところがあるものの、
多くは5本、十三夜は、3本というのが一般的です。

ところで、地域によってはススキと一緒に季節の花を供えるところがあり、
これは十五夜花とよばれています。
ききょう、おみなえし、われもこうなどが、十五夜花として使われ、
お月見を少し華やかなものにしているようです。

さて、日本以外の国でも、お月さまは特別な存在のようです。
旧暦の8月15日には、中国でも日本と同様、”お月見”の習慣があります。
古代中国では、秋の収穫期に収穫をもたらしてくれた神様に感謝すると共に
収穫そのものの喜びをこめて、美しい月を拝む習慣が出来ました。

また、この時期は秋雨によって、空気中の塵や埃が洗い流されるために、
空気が澄み、月が大変美しく見えるんです。
中国では「仲秋節」に伝統菓子でもある『月餅』を食べる習慣があります。
月餅は、中に餡や栗、胡桃や卵黄などを入れて作る焼き菓子で、
その丸い形から家族の円満をあらわしていて
「仲秋節」には、遠く離れた家族も集まり、家族そろって食事をし、
食後に『月餅』を食べ、家族の団欒の幸せを願うそうです。
その様子はさしずめ、日本の夜桜見物といった感じでにぎやかです。

韓国でも中国とほぼ同様な習慣があります。
また、『月餅』を食べる習慣も同じです。

”お月見”はもともとが、サトイモの収穫祭が起源だという説があり、
それを裏付けるように、太平洋に浮かぶ島々のいくつかでは、
今でもサトイモやタロイモの収穫を祝うお祭りを、
秋の満月にあわせて行っているようです。

イスラム圏の多くの国は、その国旗に月、主に三日月が描かれています。
トルコや、アルジェリアの国旗にも三日月が描かれていますよね。
ですから、イスラム圏の人々は、普段から月を見ては尊び、喜び、
月は、特別な存在のようですね。

そしてヨーロッパでは、秋分の日に一番近い満月を「収穫月」、
その次の満月を「狩猟月」と呼んでどちらも収穫を祝うお祭りの意味を持っています。

けれども、古来ヨーロッパで、月は、人々の体調のリズムを狂わし、
心をかき乱す、一種「狂気」の象徴とされていました。
満月の夜に、月をみて狼に変身してしまう「狼男」の伝説や、
夜にしか行動が出来ない「ドラキュラ」などがその象徴です。

毎日、形が変わったり、出る時間が違ったり、気まぐれで、
どこかそぞろな月は、古来から人々に親しまれ、時に恐れられ
良きにつけ、悪しきにつけ、人々の心を捉えて離しませんでした。
生涯2万句を詠んだといわれる小林一茶にも月を歌った句が、数百もあるそうですよ。

なんだか、お月見して“一句”詠みたくなってきましたね。

それじゃあ、また来週!


  
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