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[過去の放送]

2012年12月30日

口取り

今週のキーワードは<口取り>。
今なお北海道に生きる江戸時代の風習です。

小田嶋 政子さん拡大画像
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<口取り>とはタイやエビ・松竹梅などの縁起物をかたどった生菓子です。
白あんの練り切りや羊羹などで作られ、専用の重箱に美しく盛られて正月近くになると店頭に並びます。
北海道ではお節料理の一部として扱われています。
そもそも口取りとは、江戸時代後半に確立された饗宴や宴会時の会席・本膳料理の中の一品。
まず「突出し」が出され、次に「お刺身」、そして「お吸い物」と一緒に、山の幸・海の幸・里の産物をそれぞれ違う味付けで盛り付けられ、これを「口取り」と呼んだのだそうです。
量は少なめながらもエビやタイなど珍しい物を使った豪華な最初の料理で、その後も延々とご馳走が続きます。
どうやら「口取肴」から変化した江戸時代からの風習のようです。
口取りのお菓子は、砂糖が手に入らなかった古い時代の“甘いものは豊かなご馳走。
晴れの日には目一杯、甘いものを戴く”という習わし。
それらの風習は、北海道に開拓移動してきた東北各県の先人から伝わりました。
厳しい北海道開拓の中、正月料理に甘いものを集約させたといいます。
取材中風景拡大画像
そのような事から、この口取りの文化は、今でも全国各地の結婚式などの料理で見られることがありますが、北海道や東北では、更に、お正月の年越し膳にも口取りが付けられるご家庭が多いといいます。
北海道には現代もしっかりとこの風習が根付いているのですね。
小田嶋先生は、「我が家の食文化を大事にしてほしい。」と学生さん達にも伝えていらっしゃいます。
「若い人達も、自分の家の味や文化があることに気付くと、自分にも次の世代に伝えるものがあると喜ぶ。」と言います。
「家々に伝わる文化が集合体となって日本の文化を残し、また、作り続けていく。」ともおっしゃっていました。

●今週のプレゼントは“和菓子用のお皿”です。

★番組の感想をそえて、1月5日(土)までに応募してください。
和菓子用のお皿拡大画像
○来週のキーワードは「蝦夷錦」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
口取りは北海道だけではなく東北地方にもあるのですね。甘いものが貴重という事は最近、中々、考えませんよね。口取りの起源もなんと馬を引く人から始まっているそうですよ。

2012年12月23日

キンキ

今週のキーワードは、赤い宝石と呼ばれる高級魚<キンキ>でした。
お話をうかがったのは「北海道区水産研究所釧路庁舎
主任研究員 濱津友紀さん」です。

濱津友紀さん拡大画像
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キンキの正式名は「吉次(キチジ)」。
赤く、おめでたい魚という意味もあるようです。
また、目が大きいところから「メンメ」などとも呼ばれています。
キンキの全長は最大で約35㎝。
体色は鮮やかな赤色で棘が多く、背びれの一部に大きい黒色の斑点があるのが特徴です。
北日本・サハリン・千島列島の、太平洋やオホーツク深海の寒い地域に分布。
日本では北海道から東北沖にかけて生息し、海流の関係で日本海側には殆どいないそうです。
水揚げは通年されていて、漁獲量は日本周辺で約1000t。
その内500tが北海道の太平洋側~根室海峡などオホーツク沖で占めています。
キンキは深海200~1200mに単独で生息し、そこでエビ類を中心に食べているようです。
キンキの体が赤いのはエビに含まれる色素によるもの。
広範囲の回遊はしません。
産卵期は3,4月頃で、数万粒の卵が入ったエッグバルーンと呼ばれる約30㎝の風船状のものが産み出されるそうです。
その後エッグバルーンは、流れにのってプカプカ何日間も漂います。
そして10日位で孵化し、稚魚達が出てきます。
それから1年位かけ5㎝程に成長し、生息域である海底に辿り着くのですが、特にその間、何処でどう過ごしているものなのか・・・キンキの生態はまだナゾだらけだそうです。
キンキ拡大画像
成魚(約25㎝)になるまでには条件が良くても7~8年、悪ければその倍はかかるそう。
寿命も正確には解っていませんが、少なくても20年位は生きるといいます。
大正から昭和の初め頃までは大量に獲れていましたが、現在はピーク時に比べ10分の1にまで減少しています。
漁師さん達は、減船や漁を制限したりなど自主的に保護対策を行っているそうです。
また、たまには小さなキンキが増える年もあるそうで、濱津さんは、「多い年のキンキをうまく使っていけば回復するのでは。」ともおっしゃっていました。
道東沿岸地域では、キンキをお湯で煮たものにソースをかけて食べるそうですよ!

●今週のプレゼントは、「キンキの湯煮」です。

★番組の感想をそえて、12月29日(土)までに応募してください。
キンキの湯煮拡大画像
○来週のキーワードは「口取り」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約30分。
海底を泳ぐ時は、ヒレを広げ、優雅に羽を広げたように泳ぐそうです。さて、先日キンキの湯煮を食べる機会がありました。脂がのっているために少し、くどく感じますが、まさにソースをつけて食べるとそのくどさが全くなくなります。お試しあれ。

2012年12月16日

縄文後期・晩期

今週のキーワードは<縄文後期・晩期>。
お話を「北海道開拓記念館 学芸員 鈴木琢也さん」にうかがいました。

鈴木琢也さん拡大画像
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縄文後期は今から約4000~3000年前。
晩期はそれに続き約3000~2千数百年前とされています。
後期後半から晩期になると寒冷な気候になり、今と比べ少し寒いくらいの気温だったようです。
分布される土器の特色から見ると、後期後半は基本的には全道的に同じような土器が使われていたのが特徴付けられます。
それが晩期になると道内の中でも土器文化に違いがあったようです。
北海道南西部と東北地方北部の土器がよく似ていて、密な情報の交流や共有が見られるといいます。
一方、北海道北東部はどちらかというと独自性をもつ土器が特徴。
その傾向は土偶にも見られ、道南では、東北地方・亀ヶ岡遺跡でよく知られている遮光器土偶と似たようなものが発掘されています。
取材中風景拡大画像
1万年以上にも渡り営まれてきた縄文文化ですが、後期晩期になっても、その生活スタイル・社会構造を変えることはせず持続されてきました。
そんな中、土偶は函館市南茅部の国宝となった中空土偶をはじめ、種類や数の増加が見られます。
また、漆文化。(恵庭市・カリンバ遺跡など) 後期になってから登場したストーンサークルなどのような巨大な築造物(森町・鷲ノ木遺跡など)からも、彼らの心を表現する取り組みが感じられます。
それと、北海道の縄文の人達は、本州の人々と比べ、魚や海獣類など豊富な海産物を多く食べていたというお話もうかがいました。
その食生活の違いが貝塚にも表れていて、貝類が多いと真っ白な貝塚が見つかるのだそうですが、北海道では魚などの骨が多い関係で、黒い貝塚も発見されています。
縄文時代から変わってその後は、 本州は稲作を取り入れ弥生文化へと移行。 北海道はスタイルを変えることなく、豊かな自然の食料資源を背景に続縄文文化へと続きます。

●今週のプレゼントは“魚の形をしたお皿”です!

★番組の感想をそえて、12月15日(土)までに応募してください。
魚の形をしたお皿拡大画像
○来週のキーワードは「キンキ」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約35分。
この後は続縄文・擦文・オホーツクと文化は変化して行くのですが、言葉がどうなってきたかはやはり不明だそうです。

2012年12月9日

留萌港南防波堤

今週のキーワードは<留萌港南防波堤>。
土木学会選奨土木遺産に認定されている外洋防波堤。
留萌の港と街を80年以上にわたって守り続けています。
お話を「土木学会北海道支部
選奨土木遺産選考委員会 委員
石川成昭さん」にうかがいました。

石川成昭さん拡大画像
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波が高いことで知られる留萌沿岸。
過去の記録の中にも10m以上もの高波が押し寄せている写真が残されています。
なんと、留萌の海は「世界三大波濤」のひとつとも確認されているのです。
留萌は道北の開発に必要な拠点。旭川が内陸の拠点という位置付けをされていた中で、物流を考えると港が必要だったのです。
留萌港修築事業開始は1910(明治43)年。
着工は翌年明治44年から、大正時代を跨いで昭和4年に竣工。
波を遮るものが無い外洋で工事は行われ、また、冬期間は風雪・波浪によって中断するなど、大変な難工事。
19年間を経て全長939mの大きな「く」の字形の防波堤が完成しました。
南防波堤はケーソン工法で造られています。ケーソンとは、ケースのフランス語。当時のものは5mから10mの、コンクリート製のサイコロのような形をした箱。中は、上から見ると「田」の字に仕切りが造られています。
陸上で製作されたケーソンは海上で運ばれ、設置位置で石などを積めて重くし、蓋をして海底に沈めます。
それらのケーソン製造は留萌港から約100㎞以上も離れた小樽。
造られたケーソンは、小型船で、約30時間をかけて海上輸送。
それも2函や3函ではありません!
43函も運んだそうです。これは世界的に見ても例がなかったそうです。
また、ケーソンを設置する前には海底の地ならしが必要。
微小な機械力しかない時代、潜水士が海に潜って、石の台を造り平らにし、その上にケーソンを設置するのです。
これらの工程を人力で行われていた事ももの凄いことです。
その後も改良を続け、現在、留萌港南防波堤には日本最大級80tのテトラピットが使われています。
高さ5~6mで、2階建ての建物位の大きさ!
よく海岸部で目にするテトラポッドとはケタ違いの大型のものが並んでいます。
激しい海で波と闘いながら、希有の難工事を経て造られた当初の南防波堤・・・ケーソンは現在も土台として海底で機能し続けています。

●今週のプレゼントは“ティシュケース”です。

★番組の感想をそえて、12月15日(土)までに応募してください。
ティシュケース拡大画像
○来週のキーワードは「縄文後期・晩期」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
留萌港を作る時に、留萌を流れていた留萌川の流れを変え、さらに河口を掘り込み、そこにあった家を移動させ、ちょうど今の苫小牧のように港を作って行ったそうです。街から作り直す防波堤と港、街が一体となって作られたのですね。

2012年12月2日

冬道の雪を防ぐ

今週のキーワードは<冬道の雪を防ぐ>
~道路の吹雪対策には欠かせない防雪柵。
お話をうかがったのは「北海道工業大学 教授 白濱芳朗さん」です。

白濱芳朗さん拡大画像
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北海道は気温が低いため軽い雪が降り、更に積雪もサラサラ雪なので風が弱くても吹雪が発生しやすい地域。
晴れの日でも風だけで吹き溜まりや視程障害~視界不良となってしまいます。
そんな、雪国北海道の道路環境を支えているのが「防雪柵」です。
道路脇に設置されたフェンスを皆さんも至る所で目にされていることでしょう。
現在の防雪柵はアルミ合金製で、大きく3つのパターンに分けられます。
「吹きだめ柵」は、道路の風上に距離をおいて設置。
柵の前後に飛雪を溜めることによって、風下の道路の吹き溜まりや地吹雪を防ぎます。
「吹き払い柵」は、防雪板を下方に向けて、風の流れを下に吹きつけるような構造。道路脇に設置し、視程障害や吹き溜まりを防ぎます。
「吹き止め柵」は、柵高を大きく、空隙率を小さく、下部間隙間をゼロにする事によって、柵の風上側に雪を多く捕捉。道路から少し離し設置され、バイパス道路や高規格道路等にも有効。 
このように、設置位置や機能も違います。
取材中風景拡大画像
白濱先生は風の流れに着目した研究をされています。
雪は風にのることから、防雪柵で風の流れる状況をうまくコントロールしながら利用するというのです。
しかし、「まだ100%の性能をもつものはなく、今後もいろんな形のものが出でくるでしょう。」とおっしゃいます。
まだまだ設置しなければならない場所もあるそうで、そのためには、その位置、独特の開発をした形状が必要だそうです。
危険性が伴う冬道とはいえ、道路交通は冬も同じく最も重要な社会インフラのひとつ。
吹雪対策である防雪柵は、積雪寒冷地にとって、物流にも人命にも欠かせない装置なのです。

●今週のプレゼントは“ネックウォーマー”です。

★番組の感想をそえて、12月8日(土)までに応募してください。
ネックウォーマー拡大画像
○来週のキーワードは「留萌港南防波堤」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
最初の防雪柵は木製だったそうです。この時は風の流れを考えずに作られていたそうです。現在は風の流れを利用して、基本的には雪を飛ばすことが主流になんですって。そのために、これからはさらに複雑なフェンスも出てくるかもしれないとのことでした。

[過去の放送リスト]

2012年12月28日

12月30日の放送

今週のキーワードは<口取り>。
今なお北海道に生きる江戸時代の風習です。


2012年12月23日

12月23日の放送

今週のキーワードは、赤い宝石と呼ばれる高級魚<キンキ>でした。
お話をうかがったのは「北海道区水産研究所釧路庁舎
主任研究員 濱津友紀さん」です。


2012年12月16日

12月16日の放送

今週のキーワードは<縄文後期・晩期>。
お話を「北海道開拓記念館 学芸員 鈴木琢也さん」にうかがいました。


2012年12月9日

12月9日の放送

今週のキーワードは<留萌港南防波堤>。
土木学会選奨土木遺産に認定されている外洋防波堤。
留萌の港と街を80年以上にわたって守り続けています。
お話を「土木学会北海道支部
選奨土木遺産選考委員会 委員
石川成昭さん」にうかがいました。


2012年12月2日

12月2日の放送

今週のキーワードは<冬道の雪を防ぐ>
~道路の吹雪対策には欠かせない防雪柵。
お話をうかがったのは「北海道工業大学 教授 白濱芳朗さん」です。



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私たちの住む、ここ北海道には、まだまだ、知らない自然や文化、そして歴史の魅力が一杯あると思いませんか。

知っているようで知らない「コト」や「モノ」の宝庫。まさに北海道は宝島ですね。

この番組は、毎週いろいろなキーワードについて、北海道の自然が持つ魅力や不思議をゲストの方のお話を交えながら、楽しくゆったりとお送りするプログラムです。

さて、今週はどんな宝物に出会えるでしょうか。