| 2013/5/21 5:52 ♪THE TURNING POINT/TOTO |
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今月は、遺伝子が特定されることによってその人に合ったオーダーメイド医療が可能になるというお話を伺ってきましたが、その遺伝子が私達の生活の中で関連しているそうですが、お酒もそうなんですね。
[先生]
ご存知かと思いますが日本人を含めアジア人はお酒に弱い民族に入ります。
お酒を飲むと大多数の人が顔が赤くなります。
時にはたくさん飲むと吐いてしまいます。
二日酔いも激しいですよね。
こう言う人を英語でフラッシャー(赤いという意味)と言うんですが、こういう人はアルコールを代謝する遺伝子に関係あるんです。
そのアルコールを代謝する遺伝子は2種類あるります。
1つは「アルコール脱水酵素」、もう1つは「アルデヒド脱水酵素」と言うのですが、お酒に弱い人はその働きが弱いんです。
遺伝子というのは染色体が2本あるんですが、それぞれ1個づつに1本ずつに遺伝子があります。
その1対の対立遺伝子のうち、1つがお酒の強い遺伝子、もう片方がお酒に弱い遺伝子なんです。
この組み合わせを「ヘテロ接合」というんですが、日本人の大多数がこれにあたります。
逆に白人や黒人の人はお酒に強い遺伝子を1対持っています。
つまり、強い、強いというのを持っている訳です。
[野宮]
じゃ、飲んだら負けるんですね
[先生]
私の場合、弱い、弱いなので、学生時代お酒を飲んで点滴を受けた事があります。
[野宮]
じゃ、赤くなって飲める人と赤くなってまったくダメな人がいる訳ですね
[先生]
そういう人に飲ましますと、薬の副作用が強くでる人と一緒ですから危険です。
ですから他人にはあまりお酒を無理強いしない事です。
[野宮]
今は飲めないカードがありますが、ゲノムカードを作ったらいいんじゃないでしょうか(笑)
というくらいに、実は私達の生活そのものに遺伝子は関わっているんです。
今、その「ヒトゲノム計画」では人の遺伝子がだいたい特定されてきていて、32億ある塩基が分かってきたました。
これによって遺伝子を調べてそれがお薬であるとか、オーダーメイド医療になるという事ですが、どれくらいまで来ているんんですか?
[先生]
2年くらい前は10年後くらいにそういう時代がくると予想されていたんですが、周辺の技術の発達によって、もう少し早いかもしれません。
アメリカでは今、1,000ドルプロジェクトという10万円位で個々人の全ゲノムを解析するというプロジェクトになるような技術革新を目指してやっています。
[野宮]
これはどれくらいを目指しているんですか?
[先生]
数年後です
[野宮]
10万円で自分のゲノムが全部分かってしまうんですか?
これは具体的にどんな検査をするんですか?
[先生]
今はまだ血液200cc位は必要かもしれません。
解析には数ヶ月かかりますが、最終的には血液一滴、解析時間は3分、そんな時代になると思います。
日本では3万円でできるように考えています。
これで全ゲノムが分かる訳ですが、そうしますとこれは究極の個人情報になります。
[野宮]
じゃ、情報としてはパソコンに入るくらいの情報にですか?
[先生]
たぶんその頃にはもっと技術革新が進んでいるでしょうから、クレジットカードの大きさのものでに全ゲノムが入る事になるのではないでしょうか…
[野宮]
じゃ、自分自身のゲノムカードができると、たとえばどこかの国で具合が悪くなっても私のゲノムはこうです…、と医療機関に渡せばオーダーメイドの治療が受けられますね。
[先生]
たぶん、各病院にはスーパーコンピューターがあって、そこに入れるとイロイロな解析をして、お医者さんが処方する時にこの薬は副作用があるから使えないとか、この人はこの病気になりやすく、検査の結果この病気だろう…、という正確な診断と副作用を抑えるような治療がそのゲノムカードを基に行われるのではないでしょうか。
[野宮]
じゃ落としたら大変ですね。セキュリティーの問題も今後大きいですね
[先生]
確かに、法的な規制は必要でしょうね
[野宮]
現段階でアメリカは数年後に1,000ドルで個々人のヒトゲノムを解析しようというプロジェクトが進んでいますが、今どなたか自分のゲノムをご存知の方はいらっしゃるんですか?
[先生]
たぶん数十人いるんじゃないでしょうか。
私が知る限りでは4人です。
1人はジェームス・ワトソンと言いまして、D.N.Aの構造を1953年に決めてノーベル賞受賞者です。
2人目はD.N.Aの解析をしている会社の社長さん、
3人目はアメリカの大金持ちの方でご親戚に生まれつき体の具合が悪い方がいて、その方の為になると信じて自分のゲノムを調べたそうです。
あともう1人は上海の大金持ちの方です。
[野宮]
大金持ちの方がやってらっしゃるって事は、今の段階で費用は相当かかってるって事ですか?
[先生]
数年前までは1億円、最近は2千数百万円、2、300万円位になってきました。
[野宮]
そうしますと、宇宙旅行が数千万で出来る時代に入りましたので同じ位の感じですね。
でも宇宙旅行よりも早く出来るようになるかも知れませんね。
[先生]
ロケット技術の進歩は急速に進む訳ではありませんから、それより早いかも知れません。
コンピューターの解析技術、それからD.N.Aの解析技術は日進月歩ですから、数年後に1,000ドル、日本では3万円を目指しています。
[野宮]
今後、先生はこのヒトゲノムを調べる事によって、その個体差の医療が可能になっていく社会に何を教えてくれると思いますか?
[先生]
最終的には人間の幸福って何か?
ゲノムは全部分かる事によってすべての病気が治るわけですが…、人は病気が治った場合にどこまで自分の欲望を持ち続けるのか…、たとえば寿命もそうです。
ですから、非常に哲学的な問題が出てきて、私ども研究者が医師の及ぶところじゃないところで、もっと全人類のいろんな議論がでてくるのではないでしょうか。
ちょうど21世紀の真ん中くらいでいろんな事が変わって来るんじゃないでしょうか。
[野宮]
ヒトゲノム、遺伝子という言葉…
私達はもっともっとしっかり見ていかないと本当にどんどんどんどん進んでというところに、今現在来ていますね。
今月は「遺伝子と医療」について、そして未来について伺かがってきました。
新川先生ありがとうございました