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AIR-G' ON AIR LIST 2014/9/19 2:37 ♪LANDSLIDE/DIXIE CHICKS AIR-G' ON AIR LIST
放送中のプログラム MUSIC PATIO 02:30〜05:00
メディカル コロンブス

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2010年2月24日

遺伝子と医療4

[野宮]
今月は、遺伝子が特定されることによってその人に合ったオーダーメイド医療が可能になるというお話を伺ってきましたが、その遺伝子が私達の生活の中で関連しているそうですが、お酒もそうなんですね。

[先生]
ご存知かと思いますが日本人を含めアジア人はお酒に弱い民族に入ります。
お酒を飲むと大多数の人が顔が赤くなります。
時にはたくさん飲むと吐いてしまいます。
二日酔いも激しいですよね。
こう言う人を英語でフラッシャー(赤いという意味)と言うんですが、こういう人はアルコールを代謝する遺伝子に関係あるんです。
そのアルコールを代謝する遺伝子は2種類あるります。
1つは「アルコール脱水酵素」、もう1つは「アルデヒド脱水酵素」と言うのですが、お酒に弱い人はその働きが弱いんです。
遺伝子というのは染色体が2本あるんですが、それぞれ1個づつに1本ずつに遺伝子があります。
その1対の対立遺伝子のうち、1つがお酒の強い遺伝子、もう片方がお酒に弱い遺伝子なんです。
この組み合わせを「ヘテロ接合」というんですが、日本人の大多数がこれにあたります。
逆に白人や黒人の人はお酒に強い遺伝子を1対持っています。
つまり、強い、強いというのを持っている訳です。

[野宮]
じゃ、飲んだら負けるんですね

[先生]
私の場合、弱い、弱いなので、学生時代お酒を飲んで点滴を受けた事があります。

[野宮]
じゃ、赤くなって飲める人と赤くなってまったくダメな人がいる訳ですね

[先生]
そういう人に飲ましますと、薬の副作用が強くでる人と一緒ですから危険です。
ですから他人にはあまりお酒を無理強いしない事です。

[野宮]
今は飲めないカードがありますが、ゲノムカードを作ったらいいんじゃないでしょうか(笑)
というくらいに、実は私達の生活そのものに遺伝子は関わっているんです。
今、その「ヒトゲノム計画」では人の遺伝子がだいたい特定されてきていて、32億ある塩基が分かってきたました。
これによって遺伝子を調べてそれがお薬であるとか、オーダーメイド医療になるという事ですが、どれくらいまで来ているんんですか?

[先生]
2年くらい前は10年後くらいにそういう時代がくると予想されていたんですが、周辺の技術の発達によって、もう少し早いかもしれません。
アメリカでは今、1,000ドルプロジェクトという10万円位で個々人の全ゲノムを解析するというプロジェクトになるような技術革新を目指してやっています。

[野宮]
これはどれくらいを目指しているんですか?

[先生]
数年後です

[野宮]
10万円で自分のゲノムが全部分かってしまうんですか?
これは具体的にどんな検査をするんですか?

[先生]
今はまだ血液200cc位は必要かもしれません。
解析には数ヶ月かかりますが、最終的には血液一滴、解析時間は3分、そんな時代になると思います。
日本では3万円でできるように考えています。
これで全ゲノムが分かる訳ですが、そうしますとこれは究極の個人情報になります。

[野宮]
じゃ、情報としてはパソコンに入るくらいの情報にですか?

[先生]
たぶんその頃にはもっと技術革新が進んでいるでしょうから、クレジットカードの大きさのものでに全ゲノムが入る事になるのではないでしょうか…

[野宮]
じゃ、自分自身のゲノムカードができると、たとえばどこかの国で具合が悪くなっても私のゲノムはこうです…、と医療機関に渡せばオーダーメイドの治療が受けられますね。

[先生]
たぶん、各病院にはスーパーコンピューターがあって、そこに入れるとイロイロな解析をして、お医者さんが処方する時にこの薬は副作用があるから使えないとか、この人はこの病気になりやすく、検査の結果この病気だろう…、という正確な診断と副作用を抑えるような治療がそのゲノムカードを基に行われるのではないでしょうか。

[野宮]
じゃ落としたら大変ですね。セキュリティーの問題も今後大きいですね

[先生]
確かに、法的な規制は必要でしょうね

[野宮]
現段階でアメリカは数年後に1,000ドルで個々人のヒトゲノムを解析しようというプロジェクトが進んでいますが、今どなたか自分のゲノムをご存知の方はいらっしゃるんですか?

[先生]
たぶん数十人いるんじゃないでしょうか。
私が知る限りでは4人です。
1人はジェームス・ワトソンと言いまして、D.N.Aの構造を1953年に決めてノーベル賞受賞者です。
2人目はD.N.Aの解析をしている会社の社長さん、
3人目はアメリカの大金持ちの方でご親戚に生まれつき体の具合が悪い方がいて、その方の為になると信じて自分のゲノムを調べたそうです。
あともう1人は上海の大金持ちの方です。

[野宮]
大金持ちの方がやってらっしゃるって事は、今の段階で費用は相当かかってるって事ですか?

[先生]
数年前までは1億円、最近は2千数百万円、2、300万円位になってきました。

[野宮]
そうしますと、宇宙旅行が数千万で出来る時代に入りましたので同じ位の感じですね。
でも宇宙旅行よりも早く出来るようになるかも知れませんね。

[先生]
ロケット技術の進歩は急速に進む訳ではありませんから、それより早いかも知れません。
コンピューターの解析技術、それからD.N.Aの解析技術は日進月歩ですから、数年後に1,000ドル、日本では3万円を目指しています。

[野宮]
今後、先生はこのヒトゲノムを調べる事によって、その個体差の医療が可能になっていく社会に何を教えてくれると思いますか?

[先生]
最終的には人間の幸福って何か?
ゲノムは全部分かる事によってすべての病気が治るわけですが…、人は病気が治った場合にどこまで自分の欲望を持ち続けるのか…、たとえば寿命もそうです。
ですから、非常に哲学的な問題が出てきて、私ども研究者が医師の及ぶところじゃないところで、もっと全人類のいろんな議論がでてくるのではないでしょうか。
ちょうど21世紀の真ん中くらいでいろんな事が変わって来るんじゃないでしょうか。

[野宮]
ヒトゲノム、遺伝子という言葉…
私達はもっともっとしっかり見ていかないと本当にどんどんどんどん進んでというところに、今現在来ていますね。

今月は「遺伝子と医療」について、そして未来について伺かがってきました。

新川先生ありがとうございました

2010年2月17日

遺伝子と医療3

[野宮]
「ヒトゲノム計画」によって、遺伝子の並び方であるとかが個々人によって違う事がだいぶ分かってきました。
それによって洋服のサイズを測って洋服を作るように、医療もそれに合わせた医療を受けられる時代がすぐそこまできているというお話を2回にわたって伺いました。
今日は、その中でも特に「遺伝子と生活習慣病」との関わりについてお聞きします。

[先生]
まず最初に、「生活習慣病」がどういう事かと言いますと、病気の発祥といいますか、なりやすさに遺伝的要因と環境要因(生活習慣)の2つが関係しているのが「生活習慣病」です。
遺伝的な意味から言葉を変えますと「多因子病」、つまり遺伝子は1個じゃなくて複数が関係していています。
生活習慣も複数が関係しているので、関わる因子が多いので「多因子病」と言われています。

[野宮]
生活習慣病というと環境だけが悪い、自分の生活習慣だけが悪いから病気になるのか…と思ってしまいますが、2つの要因があるんですね。

[先生]
その要因のうち、遺伝的なものが6割、環境が40%位と言われています。
一般的にも高血圧の家系や糖尿病の家系があります。
遺伝的な要因があることは皆さんなんとなくご存知ですよね。
それがどれくらいの遺伝子がその遺伝に関係しているか…、というのが、今その研究の途上です。

[野宮]
生活習慣病の2大疾患とも言われます「高血圧」と「糖尿病」なんですが、たとえば高血圧に関して遺伝子レベルで見ると、どこまで分かっているんですか?

[先生]
たくさんの遺伝子が関係しているのが分かっていますが、日本人に関する興味深いことがあります。
ご存知のように日本人はだいだい30歳以上の方を見ますと男性では約半数、女性では4割の方が高血圧症で治療されています。
この高血圧症は、アンギオテンシンノーゲンというタンパク質があるんですが、その235番目のアミノ酸がメチオニンの人とスレオニンの人に分かれるんです。
日本のデータで、この中でスレオニン人が高血圧症になりやすい事が分かっています。
尚かつ、スレオニンの人で少し小太りな人がなりやすいという事も分かっています。
では、どうしてこれが分かったか…と言いますと、このスレオニンは人間だけじゃなくサルやチンパンジーも持っていているんです。
それを調べたところ、数万年前の人間の太古の昔、人間は塩の少ない生活をしていたと思われます。
これは他のすべての動物もそうなんですが、その塩の少ない状態でも血圧をある程度高く維持していかないと生命に影響がありますから、そういう少ない状態でも血圧を高めるという意味で、倹約遺伝子と言われています。
ところが、文明が発達してから塩の量をたくさん摂るようになり、特に日本人で北海道の人は寒いから塩分を多くとりますね。
ですから、高血圧になるようになった…。それが今の仮説です。
似たような事が糖尿病にもありまして、これは日本人でアディポネクチンという遺伝子の多形を持っていますと、先程と同じように小太りになった時に糖尿病になりやすいという事が分かっています。

[野宮]
これは、要するに小太りになりやすい遺伝子なんですか?

[先生]
そうではなく、小太りになることで糖尿病が発祥するんです。
おもしろい事に大太りは関係ないんです。
また、痩せた人でも糖尿病になる遺伝子が見つかりました。
これはどういう意味かと言いますと、日本人やアジア人は農耕民族です。
白人のような狩猟民族ではないんです。
そうすると、農耕民族というのはいつも農作、不作の状態で、特に不作の時は飢餓と背中合わせで生活してきました。
ですから低カロリーなのに血糖を100mgに維持する…、そういう倹約遺伝子があるわけなんです。
ところが文明の発達によって必要以上にたくさん食べるようになって、血圧が高くなって糖尿病が発祥すると言う訳です。
そういう事が言われています。

[野宮]
ということは、遺伝子の方もあまり塩分は必要以上に取りなさんな、あまりおいしい物ばかり取りなさんな、と遺伝子の方でも言っているという事ですね。
でも人間の体というのは知れば知る程良くできているんですね。
この高血圧症と糖尿病だけを見ても、今分かっている段階でもここまで分かってくると、この先、たとえばガンであるとか、こういった病気というのも、遺伝子が特定される事によって治療であるとか予防法というのは相当期待できますか?

[先生]
ガンは遺伝性のものと非遺伝性のものがありますが、特に遺伝性のものはだいたい遺伝子にキズつくと発祥する事が分かっています。
非遺伝性のものは、すべて分かっている訳ではありませんが、白血病などでは原因となっている遺伝子の働きからタンパク質分かります。
そのタンパク質が分かるとその働きが分かります。
それを逆に利用して治療法、治療薬が開発されてきて、ご存知でしょうか…、慢性骨髄症(白血病)は最近は遺伝子の働きから薬が開発されてほとんど100%治る状態になりました。
遺伝子の働きからガンになるメカニズムを逆手にとって薬が開発された訳です。

[野宮]
「ヒトゲノム計画」がもたらす恩恵は本当に果てしなく広がっているんですね。

[先生]
それを波及効果と言いまして、その波及効果の中で私が感激しているのは「ヒトゲノム計画」が多様性を尊重するという社会的な考え方です。
でも残念な事に、たとえばいじめは多様性を尊重してない訳ですから、画一的なそういう集団の中ではみ出した人をいじめる訳ですね。
ですから、そうではなくもともと人はゲノムで、遺伝子にはじめから多様性が保障されているんです。
それを全て、この考えが社会にいき渡っていくと、いじめをなくしたり差別をなくしたり、そういう社会になるような波及効果を期待しています。

[野宮]
今年、生物多様性年ですが、人間も遺伝子で多様性を持っていて皆違うんだから皆いいじゃない…、というそういう考え方に繋がっていくという事ですね。
遺伝子というのは目に見えない小さなものですが、教えてくれるのは果てしなく大きいと思います。

来週は、この遺伝子が分かる事によってどんな未来があるのか…、
未来のお話を伺っていきたいと思います。
今日はありがとうございました!

2010年2月10日

遺伝子と医療2

[野宮]
先週は、人間の体を作っている遺伝子が特定出来た、つまり人の体の仕組み、設計図が「ヒトゲノム計画」の第一段階で分かってきて、その中で1人1人にその遺伝子、D.N.Aの並び方に個体差がある…、その個体差に合わせた医療であるとか薬であるとかそういうものを考えるのが「個体差健康科学研究所」の大きな目的であるということを伺いました。
実際に分かりやすく言うと「オーダーメイド医療」とか「テイラーメイド医療」と言うんですね。
いわゆる洋服で言うとレディメイドとは違う、あなたの為の医療ができる時代がすくそこに来ているというお話ですが、今日はこの「ヒトゲノム遺伝子」が分かった事によって、医療であるとか病気の診断、お薬、具体的にどんなふうに関わってくるんでしょうか

[先生]
まず、遺伝子だけ分かってもできないんですが、遺伝子をもう少し細かく調べていくと、個人によって少しづつ遺伝子の働きだとか構造だとかが違う事が分かってきました。
これを専門的な用語で「多形」といいます。
この多形にはいろんな種類があるんですが、全部ひとまとめにしますと数百個の塩基から千の塩基について1カ所ずつ違うんです、人によって…。
先週も申しましたように30億の塩基がありますから30億あるとすれば300となって一千万個、百万個が個々人で違う事になります。
その違ううちの一部が病気の発症、特に生活習慣病になりやすさを決めている事が分かってきました。
つまり「多形」というのは、たとえばA.O.B.型の血液型を思い浮かべて下さい。
B型の人、A型の人、O型の人、そしてAB型の人がいますよね。
よく、ある性格はA型に関係あるとか…、でも実際には科学的ではないんですが…、その性格を病気と考えてください。
何かの病気はA型の人がなりやすい、B型の人はなりにくい…、そういう事がおきてて、高血圧症や糖尿病はもう多形がある程度分かってきてい
ます。
またそれだけではなくて、色々な薬の効き方もこの多形も関係しています。
たとえば、シトクロームというタンパク質がありますが、この遺伝子の多形が「うつ病」だとか「不整脈」の薬だとか、それから「統合失調症」のお薬だとかの効き方がこの多形によって違うんだという事が分かってきました。
ですから、ある多形の患者さんがいて、その人にあるお薬を使ったら効かないどころか副作用がでる場合があります。
そういう場合は前もって患者さんの多形を調べておけば副作用はすくなくとも抑える事はできる訳です。

[野宮]
薬の効き方のキーになる遺伝子というのが特定できているんですね。
これはいろいろな病気に考えられる訳ですね。
胃潰瘍でピロリ菌というのがありますが、こういうものも遺伝子と関係あるんですか

[先生]
これも先程申しましたが、シトロクロームの違う遺伝子なんですが、ピロリ菌を除菌するために抗生物質を飲みます。
それの効き方が、あるシトクロームの遺伝子の多形を持っていると同じ抗生物質を飲んでもピロリ菌が除去できない、あるいはできる…、という事が分かっています。
ですからその除去ができると消化性潰瘍が治癒する訳です。
そういう事が分かっています。

[野宮]
そうすると、効いたか効かないか分からないと思いながら薬を飲む事はなく、しかも副作用のリスクを相当避ける事ができる訳ですね

[先生]
こういうのを全体に「オーダーメイド医療」と言ったり、ゲノムの知識を使った薬の効き方、お薬だけの事を考えると「ゲノム薬理学」、そういう新しい分野が、今、できている訳です。

[野宮]
実際に今「ゲノム薬理学」によってお薬が処方されたりというところまで進んできているんですか

[先生]
まだ日本ではそこまでいっていません。
世界でもまだいっていません。
ただ、1つは、すべて分かっている訳ではなくてトライアルでありえるかも知れないんですが、日本はご存知の通り国民簡易保険制度がありまして、こういう薬の使い方をするのは一種の予防医学になるんです。
ですからその予防医学は今、日本の健康保険制度は適応になりませんので、これが将来の大きな問題だと思います。
たぶん、なるとは思うのですが…

[野宮]
こうした個体差に合わせた医療、つまりオーダーメイド医療、テイラーメイド医療というのが現実化になっていくと医療そのものが本当に社会制度も含めて革命を起こす可能性がありますね

[先生]
ただし医療の高騰に繋がらない様に、なおかつ最新の正確な医療の情報が患者さんに伝わってもっとも適切な医療を受けられるように、そういう制度に変わるべきだと思います。

[野宮
洋服でも自分に合ったサイズのオーダーメイドの洋服を着た時のあの心地よさは皆さんお分かりになると思います。
それが医療に使われるというのは、いかに自分の体にとってプラスかっていうのは感覚的に非常によく分かりますね。

[先生]
皆さんが望まれている医療ですね。

[野宮]
今日はウエストが合わないとかヒップが合わないとか思わずに医療を受けられる時代がすぐそこまで来ているというお話でしたが、
来週は、遺伝子は生活習慣病とも非常に関わりがあるということですので「遺伝子と生活習慣病」というテーマでお話を伺いたいと思います。
今日はありがとうございました。

2010年2月3日

遺伝子と医療

北海道医療大学
個体差健康科学研究所
教授 所長 新川 詔夫


[野宮]
遺伝子治療という言葉を聞いたりしますが、まず北海道医療大学の個体差健康科学研究所というのはどういう事をする所ですか

[先生]
個体差というのは遺伝子で決定される個々人の差、これを医療に生かしたいというのがオーダーメイド医療といいまして、分かりやすい言葉で言いますと【個別化医療】とか【新世紀の医療】とか【個体差医療】とか言います。

[野宮]
オーダーメイド医療とかテイラーメイド医療とか個体差医療…、つまりその人の遺伝子を突き止めてそれに合った医療をしていこうと…

[先生]
おっしゃる通りです。
従来の医療は、例えばよく若い方が買い物に行くと吊り下がりの自分の体に合った物を着ますよね。
でもオーダーメイド医療はそうではなく、いわゆる仕立て屋さんがその方の体にフィツトしたものを作るように、お医者さんが患者さんの体質、これは遺伝子で決められているんですが、その遺伝子を調べてその方に適合した薬を処方したり、あるいは副作用が少ない薬を選んだり、そういう治療です。

[野宮]
でも人間の遺伝子を突き止めるというのは、これは大変なことですよね

[先生]
これは1990年から始まった「ヒトゲノム計画」、あるいは「ヒトゲノムプロジェクト」と言いまして、日本とイギリスとアメリカ、フランスという国が国際協同の研究で始めたもので、2003年の3月に一応全体像が明らかになったプロジェクトです。

[野宮]
どれくらいまで進んでいるんですか

[先生]
3つの柱がありまして、その1つは「ゲノム」というのは遺伝子の集合体、あるいは「D.N.A」と言ってもいいんですが、その「D.N.A」は人のゲノムの中に32億の塩基が含まれています。
その32億の塩基をすべて決定したというのが第一番目の仕事でした。

[野宮]
32億の塩基が分かって人の体の仕組みの何が分かったんですか

[先生]
32億の塩基の中には、遺伝子が23,000個程含まれています。
つまりこれは人の体の設計図です。
体つきだけではなく、体の働きや全てを決めている設計図が分かったんです。

[野宮]
1990年から始めて2003年に分かったということは13年で分かったんですか

[先生]
最初はわかるまでに数百年かかると言われていました。
でもこれまでにすでに30億位の塩基があることは予想されていました。
情報量から言いますと大英百科事典を大きなビルの中に押し込めるような、それだけの情報量があると言われていました。
でも完成してみると、それに平行してコンピューターの記憶装置の発達があって、実は32億というのは3.2ギガベース、つまり普通のパソコンの中に入ってしまうんです。

[野宮]
じゃ、スーパーコンピューターの発達によって、結局、情報というのは私達のパソコンに数百人分の遺伝子の設計図が入れられると…
こうなるとオーダーメイド医療というのは、遺伝子が分かる事によって具体的にどんなメリットがあるんですか

[先生]
その前に、遺伝子だけが分かってもなかなかオーダーメイド医療には繋がらないんです。
遺伝子の中にのそれぞれ塩基がどういうふうになっているのか、それから個々人でその塩基が少しずつ変わっている訳ですが、それがどうなっているのか調べていかなくてはなりません。
それが【個体差】です。
そして、そのD.N.Aがどんなふうに並んでいるのか、つまり個人差がある訳です。
我々はこれを【多様性】と言っています。
その多様性は数百個の塩基に一つずつ皆さん違うんです。
32億ありますから、ものすごい数の違いが個々人である訳です。
言い換えますと、古今東西、過去の人類が始まってから未来までどのくらいの数がいるのか…、ものすごい数の人達がそれぞれ自分と同じ塩基を持った人はいないという…、そういう多様性をもったのが人間という生物なんです。
その多様性を利用して病気の診断とか病気のなりやすさを決めるとか、あるいは薬の副作用がこの多様性のどれで決まっているとかを全部調べて、その調べた結果を実祭に医療の現場で応用しょうと…、それが次の今後10年間の大きな医療の流れだと思います。

[野宮]
この「ヒトゲノム」が分かったことによって、これが医療であるとか、薬の使い方に革命をおこしますね

でも薬が効くというのは逆に効かないケースもある、もしくは効きすぎる。これは副作用になりますが、こういうことも1人1人の遺伝子が分かることによってその人にぴったりな…

[先生]
ぴったりになりたいと思っていますが、理想ですね。
今現在は薬はだいたい6割から7割の方に効力があると厚生省では認可します。
逆に言いますと、2割から3割の方には効かない、効かないどころかそのうちの一部は副作用が起きるんです。
それでは飲むより飲まない方がましです。
副作用がおきた人は…
ですから副作用がおきたら命に直結することもありますから絶対に副作用をおこさないように、お医者さんはこのオーダーメイドを利用して薬を使い分けていく時代になると思います。

[野宮]
具体的にどれくらい後にそういう医療は可能になりそうですか

[先生]
2年くらい前の予想では、国は10年以内にそういう時代が来るとしています。
私どもが研究しているのは今後10年に向かって努力している訳ですが、現在少しずつ理想的な医療データーになるのは出来始めています。

[野宮]
来週以降はこの「ヒトゲノム」、人の体の遺伝子、そのD.N.A の並び方が個々人違うことを突き止めた事によって病気の治療であるとか、薬がどんなふうに変わっていくのかについて伺いたいと思います。

来週もよろしくお願いします。

  
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