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2009年12月30日

海洋汚染5

今月は、北海道医療大学 薬学部、衛生薬学講座、准教授
薬学博士、遠藤哲也さんに「海洋汚染」について
お聞きしています。

[野宮]
今月は5回にわたって「海洋汚染」について
遠藤先生に伺ってきました。
先生の専門は、その海洋汚染の中でも食物連鎖による生物濃縮、
つまり、小さな魚を大きな魚に食べられる事によって、
最終的に大きな魚に水銀やPCBやダイオキシンといった
人間の健康に大きな影響を与える有害物質が
溜まってしまうことなるとですから、
どんな魚にどれくらい溜まっているのか?
そして、私達は、どれくらいの頻度で食べると
そんなに心配する必要がないのか?そういう事を研究されています。
そこで、今日、リスナーの方からこんなメールがきています。

「先生のお話に出てきた魚の中に溜まっていく水銀ですが、
人間の体に入った水銀を排出するような
食べ物はないんでしょうか」という質問なんですか?

[先生]
残念ながら、あまり、効果のあるものはありません。

[野宮]
では、効果のある解毒するような薬というのはあるんですか?

[先生]
解毒剤はあるんですが副作用も強くて、
実際、一般の方には、使ってもしょうがないと思います。

[野宮]
では、いったん体の中に入ってしまった
水銀、PCB、ダイオキシンも同じですか?

[先生]
そうなんです。

[野宮]
だから、なるべく体に入れないようにしましょう!という事ですね。
でも、水銀といいますと 先週も話しましたが
水俣病の関連で日本人はよく分かっているところと
分かってないところがあると思うんですが、
たとえば、体の中に水銀が入って水俣病のような
症状が出るというのはどれくらいのレベルまで
水銀が溜まった状態なんですか?

[先生]
我々の体の中にどれだけ水銀が入っているのか?
一番いい指標は、髪の毛の中にどれだけ水銀があるか計る事です。
その数字で、水俣病の患者さんですと、
200ppmとか、300ppmとか、ものすごく高い濃度なんです。
ですから、一応、50ppmを超えると水俣病の可能性が出てきます。
一般の方では、日本人の場合は、男性女性では、
少し違いますが、だいたい、2、3ppmです。

[野宮]
では、単純に言って100倍の水銀が水俣病の患者さんの中には
入ってしまったという事ですね。

[先生]
ただ、妊婦さんの場合は、10以下にした方がいいと思います。
赤ちゃんに影響が出てくるレベルは、10数ppmです。
ですから、妊婦さんは10ppmを超えてはまずいんです。
できたら、1ppmか2ppm位にしましょうという事です。

[野宮]
つまり、厚生労働省のガイドラインでは、
大きな魚の体には自然界でこうした物質も溜まってしまうので
マグロやクジラなどの大きな海の生物は、
週に1回程度にしましょうという訳です。
ただ、海というのは私達にとって恵みのもとでもあります。
この辺は、先生も研究されていて悩むところじゃないかと思いますが、
その辺はどのようにお考えですか?

[先生]
魚貝類というのは、ある程度、積極的に
摂った方がいいと私は考えています。
日本は世界一の長寿国ですからね。
魚を食べるのが悪いはずがないと思っています。
ですから、ちょっと気を付けて食べましょう!
これが私の考え方です。 

[野宮]
そのためにも、魚の中の健康に効果があるのもあれば、
逆に影響をあたえる物質もあるという事ですね。
先生は、世界中の海を研究されていますが、
主に、研究活動といいますと、場所はやはり魚市場とか漁港なんですか?

[先生]
そういう所で魚を買ってかえります。

[野宮]
先日もベトナムにいらして市場に行かれたんですか?

[先生]
行って来ました?

[野宮]
私達にとって魚は健康にとって大切で、
ちゃんと量を考えて食べた方がいいですし、
こういう科学物質も含めて「魚」、
そして、「海」とは、今後、どう付き合っていったらいいのか?
また、私達人間は何を気をつけなければいけないのか、
どうお考えになりますか?
 
[先生]
大変難しい話なんですか、やはり、どこかで自然と調和して
生活していかなければと考えます。

[野宮]
調和出来ない部分というのは、どういうところで感じていますか?

[先生]
やはり、ベトナムとか行きますと格差がちがうんですね。
そして、考え方も違ってますから。
今後は、地球規模で考えなければ行けない時代に
なってきているのに、そういう格差が大きいんです。
どうやって地球規模で対応していったらいいのか?
今、CO2の削減問題と同じよな事があっちこっちで起きています。

[野宮]
私達が食べる魚というのは北海道の近海で捕れる魚もあれば、
遠い海から運ばれてくる魚もあるわけですから、
地球レベルでこうした水銀やPCB、ダイオキシンの問題というのは
考えなければいけないわけですね。
私達が住んでいる北海道は四方海に囲まれていますが 、
この豊かな海の恵みを守っていくために、
私達、消費者が出来る事はないんですか?

[先生]
幸い、北海道の魚のレベルは低いんです。
ですから、もっと、北海道の地場産業として
「北海道の魚は安全なんだ」という事を強調して
販売していったらいいような気がします。

[野宮]
新鮮で近い海で穫れただけとだけというのではなく
北海道の魚の中に含まれている物質を科学的に
分析していくと非常にクリーンなわけです。
これをもっと北海道の魚のためにも、
私達、北海道の人間がPRしていかなきゃいけないですね。

[先生]
香港では、日本製と近海の魚と分けて販売しています。
日本から輸入してきた魚は安全だということで高いんです。
ですから、もっと、北海道の魚をブランド化して
販売していけばいいんじゃないかと思います。

[野宮]
結論としては、北海道の近海の魚を安心して
いっぱいたべましょう!という事ですね。

5回にわたって大変 私達素人には難しい話を
分かりやすくお話いただきましてありがとうございました。

2009年12月23日

海洋と汚染4

[野宮]
海洋汚染、その中でも遠藤先生のご専門は海の中の大きな生き物、クジラですとか、マグロですとか、そういう生物の中に人間の健康に影響のある物質が溜まっている…、という研究をされているんですよね。
でもなぜその大きな魚の中に健康に影響のある物質が溜まっていくのかというと、おさらいになりますが食物連鎖…、小さな魚をちょっと大きな魚が食べてさらにまた大きな魚が食べて…、結果的に体の大きな魚の中にそういう(健康に影響のある)物質が溜まってしまうという、つまり生物濃縮という事でした。
そしてこの食物連鎖をピラミッドにしますと、当然小さな魚は底辺にきます。
大きな魚は上の方にきますが、では人間はどこに位置するのでしょうか

[先生]
1番上になります。

[野宮]
ということは、知らず知らずのうちにたくさん食べてしまうと、かなり物質が溜まる事になりますね

[先生]
大変危険な状態になりますので気を付けて食生活をした方がいいと思います。

[野宮]
その気になる物質ですが、先週までは主に水銀、しかも水銀の中でも非常に毒性の濃い、健康に影響のあるメチル水銀という形で体の中に溜まってしまうということでした。
このメチル水銀というのはどういう水銀なんですか

[先生]
水俣病の原因です。

[野宮]
そう聞くとすぐ魚を食べられなくなっちゃうと思うのですが、そう言う事ではないんですね

[先生]
そんなに気にしなくても大丈夫です。

[野宮]
もう一度おさらいになりますが、ただ妊婦さん、赤ちゃんに胎盤を通してこうした水銀がいってしまう危険があるので厚生労働省のガイドラインではどれくらいと決めているんですか

[先生]
水銀濃度の高い魚、特にマグロなどでは80gとして1週間に1回ないし2回までと、そのような目安を示しています。

[野宮]
一般の方もだいたいこれくらいの目安で考えている分にはそんなに心配する必要はないということですね。
先生は世界の海それから市場とかで人の口に入る魚を調べていますが、こうした食物連鎖による健康に影響のある生物濃縮がどんどん溜まっていくという…、そんな物質なんですが水銀以外にもあるんですか

[先生]
水銀の他にはPCBだとかダイオキシンとか、皆さんご存知だと思いますがそういう物質も食物連鎖によって生物濃縮されていきます。

[野宮]
PCB、ダイオキシンというと、たとえば新聞の見出しであるとか公害の原因であるとか非常にこわい毒性の強いというイメージがありますね

[先生]
大変毒性の強い化合物です。

[野宮]
まずPCBなんですが、もともと水銀のように地球上にあった物質なんですか

[先生]
いえ、これは我々が作った化合物です。
ですからPCBが検出されたということは、すなわち我々が汚染したという事です。

[野宮]
これは生産活動、工業活動であるとか、そういう事で生まれるものなんですか

[先生]
そういうことです。

[野宮]
私達にどういった影響を与えてしまうんですか

[先生]
皮膚炎がおきたり生殖器の障害だとか、赤ちゃんにも異常がおきたりします。
つまり環境ホルモンの1つです・

[野宮]
そのPCBというのは1種類なんですか

[先生]
正確な数字は分かりませんが100種類くらいの化合物、つまりPCBは似たような化合物の集まりです。

[野宮]
総称してPCBと言うんですね。
その中で特に毒性の強いものというのはあるんですか

[先生]
毒性の強い12、13種類をコプラナPCBと呼んでいます。

[野宮]
これがどういう形で海の中に行き、それがどうして急に溜まっていくというルートはどうなっているんですか

[先生]
海というのは廃棄物の最終的なゴミ箱なんです。
廃棄物がみんな海の方へ流れていって、そして魚の中で生物濃縮されていくんです。
それで大きな魚に蓄積している訳です。

[野宮]
この対策というのはどうしたらいいんですか

[先生]
もうPCBを使わない事、もしあればそれを拡散しない事。
そして、廃棄しない事です。

[野宮]
すでに海に流れてしまったPCBというのはどうしたらいいんですか

[先生]
もう拡散してしまったPCBに対しては特に対策はないんです。
PCBというのは安定な化合物なんですが、10年、20年経つと分解します。
ですから時間を待つているんです。

[野宮]
じゃとにかく、どれくらい魚にあるかということを知って、それに合った食べ方をしていかなければいけないんですね。
ではもう1つ、ダイオキシン。これはPCBと似たものなんですか

[先生]
コプラナPCBと似たような毒物をもっています。
それでコプラナPCBと言います。
そして一般に言われているダイオキシンを併せてダイオキシン類と呼んでいます。

[野宮]
ダイオキシンと言いますとゴミの焼却によって発生すると理解しているんですが、間違いないですか

[先生]
その通りです。

[野宮]
これももともと地球上になかった物質ですか

[先生]
そうです。偶然出来てしまった化合物です。

[野宮]
じゃこれも、ダイオキシン類ということは先程のPCBと同じように、すでに海に流れていったものは長い時間を待って自然になるのを待つ、あと魚に溜まったものはなるべく食べないようにする事しか出来ない訳ですか

[先生]
そう言う事です。

[野宮]
これを食べる目安、つまりガイドラインはあるんですか

[先生]
厚生労働省ではガイドラインを示しています。
今普通に日本人の食生活では一般的に言う許容量、ガイドラインの目安の3分の1位毎日食べています。
ですから安全なレベルであると、厚生労働省はそう判断しています。

[野宮]
普通に私達の食生活の中で大きな魚類を食べる頻度で言うと危険とされる許容量が100とすると、まだその3分の1位のレベルだから、すぐに食べてはいけません!とか、そういう性質のものではないという事ですね。
では魚の部位によって水銀あとPCB、ダイオキシンの含まれる場所は違ってくるんですか

[先生]
PCBだとかダイオキシンは脂に溶けやすい化合物なんです。
ですから、脂の多きところに蓄積します。
つまりトロですとかクジラで言いますと脂肪の部分(ベーコン)に蓄積します。

[野宮]
反対に水銀はどうなんですか

[先生]
筋肉の方です。赤身ですね。

[野宮]
じゃ赤身だけ食べていれば大丈夫とか、トロだけ食べていれば大丈夫ということではなく、両方やはりチェックをしていかなきゃいけないということになりますね

[先生]
そういうことです。

[野宮]
先生が世界の海、そして市場を回って魚の随分とデーターをとっていらっしゃいますが、こうしたデーターを基に私達はもっともっと魚のことを知っていく必要がありますね。

来週はこれまで伺った話をおさらいして、もう一度、私達の食生活にとってとても大切な魚ですから、しっかりと詳しい話を伺いたいと思います。

今日はありがとうございました。

2009年12月16日

海洋と汚染3

[野宮]
先週は、海の中にいる大きな魚、クジラやマグロを食べ過ぎると健康的に影響がある…。特に妊婦さんは胎盤を通して赤ちゃんに強くその影響がでるのであまり食べないようにという話をしました。
それと、水銀の中でも特に人体に影響があると言われているのがメチル水銀という話もしました。
そして主に私達の食生活の中でよく食べるというマグロを中心に伺いました。
ですが魚としてはマグロだけではないんですよね。他には、たとえばどんなものがあるんですか

[先生]
サメだとかクジラだとか、海の食物連鎖の上にいる魚には水銀が蓄積されています。

[野宮]
特にクジラは地球上で最も大きな生物ですが、そのクジラの中の種類でも濃度が高いものはいるんですか

[先生]
クジラはヒゲクジラとハクジラに分かれます。
ヒゲのあるクジラは歯がないのでヒゲクジラはプランクトンを食べます。
これに対してハクジラは魚を食べます。
ですから水銀汚染はぜんぜん違ってきます。
どちらかと言いますと、魚を食べているハクジラの方が水銀やPCB濃度が高いと言えます。
その中で特にゴンドウクジラだとかオキゴンドウというのはものすごく水銀濃度が高いんです。

[野宮]
これは主にどの辺で捕れたりするんですか

[先生]
南の方です。沖縄だとか和歌山の方で捕れるものです。

[野宮]
という事は、これを食べている地域もあるんですか

[先生]
沖縄や和歌山では食べています。

[野宮]
これもやはり先生としては続けて食べるのはお勧めできないことですか

[先生]
これは食べない方がいいかもしれません

[野宮]
分かりやすく言いますと何と比較したらいいですか

[先生]
厚生労働省の基準が総水銀として0.4ppmなんです。
それに対して私の調査では1番高かったのがバンドウイルカでほぼ100ppmでした。オキゴンドウでも80ppmなんです。
ですから、250倍か200倍とか相当高いんです。

[野宮]
これはやはりオキゴンドウとかバンドウクジラの食生活、つまり魚を食べることによって高濃度になってしまう…というわけですね。
あと、もともと先生がこういった研究のきっかけとなったフェロー諸島では、最初はクジラを食べているお母さん達の赤ちゃんに健康被害があるということで先生も研究された訳ですが、その後フェロー諸島はどうなっているんですか

[先生]
去年2008年にはクジラはもはや食用としては不適切であるとされて、「食べないで下さい」という内容に変わりました。
赤ちゃんだけではなくて一般の大人に関しても悪い影響が出始めたので「食べないでください」となりました。
と言うのも、食べる事によって特に高血圧だったり心筋梗塞がおきたりと、クジラをたくさん食べている人に循環器系に障害が多いという事が分かりました。
そこで「食べない方かいい」という注意から「食べないで下さい」という勧告へと変わりました。

[野宮]
そうしますと、クジラをはじめ大きな魚に含まれる水銀量に対する規制のラインもその年によってかわっていく可能性がある訳ですか

[先生]
変わっています。フェロー諸島に関しては変わっています。
昔、水俣病が発生した当時、日本の厚生省とWHOがいろいろ調査をしまして基準を決めました。
それは3.3マイクログラムパーウィークなんです。
3.3という数字を覚えておいてください。

[野宮]
これは魚の中に含まれるものですか

[先生]
いえ、我々人が3.3を超えるメチル水銀を摂取すると水俣病になってしまうかもしれないという目安です。
そこで2003年には国際的にWHOが1.6に引下げています。
これは赤ちゃんの問題などを考えてガイドラインを下げたものです。
つまり狭量を1.6に下げたということです。

[野宮]
これは日本の厚生労働省も1.6になっている訳ですか

[先生]
そうなると思ったんですが実はそうではないんえす。
2005年に厚生労働省では2.0として妊婦さんなどに対するアドバイスを出しています。

[野宮]
この数字は0.4の差がありますが、この差をどう考えたらいいのでしょうか

[先生]
けっこう大きいですよね。
我々や水銀の研究者も困っています。
そこで厚生労働省では妊婦さんに対してマグロは1週間に1回という基準を出していますが、国際的に見ますと少し甘いという事になります。
ですから厚生労働省のアドバイスよりはもう少し注意して魚を食べた方がいいと思います。

[野宮]
こうした大きな魚の中にこういうものが溜まってるという事に気付いて研究が始まったのはここ10年くらいですよね。
特に日本は魚食文化ですし、この辺のバランスの取り方というのは国民的に議論であるとか、話し合いであるとか…
もちろんデーターももっとたくさん必要ですし、まだまだ難しい問題を抱えていますね

[先生]
本当に難しい問題で水銀だけでは議論出来ないんです。
我々の貴重な食料源のクジラとかマグロというのは海の汚染物質も海の栄養も生物濃縮している訳です。
ですから貴重な食料源ですので規制ばかりしてもしょうがないので、「注意して食べる」というのが現状だと思います。

[野宮]
そのためにはやはり先生のようなお立場で、健康被害のあるものはちゃんと撤退的にデーターをとって検証していただいて、いい栄養素は海からいただく…。
このバランスがとても大事になってきますね。
そして、先程先生のお話の中で汚染物質は水銀だけではないと伺いました。
そこで来週は水銀以外の物質について詳しく伺っていきたいと思います。

今日はありがとうございました。

2009年12月9日

海洋と汚染2

[野宮]
遠藤先生のご専門は海洋汚染、その中でもマグロであるとかクジラであるとか、大きな魚の中に知らず知らずのうちに溜まっていくと人間に害を及ぼす物質を主に研究されていますが、先週はその中の水銀のお話を伺いました。
なぜ大きな魚の中に水銀が溜まっていくのか…、1つには環境の中に水銀があると聞きました。
おさらいになりますが、もう1度お聞きしますが、まず水銀というのは地球上にどういう状態で存在しているものなんですか

[先生]
水銀と言うのは元素なんです。
その大部分は地中の中、つまり地核の中に入っています。
ところが、その1部が火山の火口などから水銀蒸気として地表にでてきます。
それが我々の身の回りに少し存在します。
あと、水銀鉱山から水銀を取り出して体温計や電池など、そういう科学製品に使っています。

[野宮]
人間の活動によっても水銀というのは出来るわけですが、具体的にどんなものがありますか

[先生]
火力発電の煙突からも水銀がでてますし、特に石炭を燃やして居る所からよく出ています。
世界の中でも中国の火力発電所、あとアメリカの火力発電所からが水銀がたくさん出ています。
そこで、アメリカではその周辺の湖の魚を食べないようにと殆どの州で注意を出しています。
と言うのも、水銀濃度が高いからです。
あと、中国の方から黄砂にのって水銀が日本へやってきています。
つまり、これは越境汚染という汚染が起きています。
それで環境省が沖縄と沖ノ島でモニタリング調査を最近はじめています。

[野宮]
それは大気中の水銀ですか

[先生]
そうです

[野宮]
その水銀は大気中にも存在しますし、海の中に溶け出しているです。
それが魚の方に溜まっていく…、というわけなんですね。
そこで、厚生労働省の方では妊婦さんはあまりそのマグロとか大きな魚とかは食べ過ぎないように、食べるなら1週間に1回くらいにしましょう…というガイドラインが出されています。
その水銀を濃度で見た場合、危険とされるライン、それと危険水域となるとどれくらいになるんでしょうか

[先生]
魚の濃度では総水銀として0.4ppm、メチル水銀としては0. 3ppmという、厚生労働省では一応基準を出しています。

[野宮]
と言うことは、これを超える魚は基本的には市場に出回らないということですね。
普通に魚を購入するのは心配ないということになりますが、先生はいろいろな所の魚を調査されているようですが、実際に地域差があるとか、それによって水銀濃度というのも違ってくるんですか

[先生]
南の地域の方が海水中の水銀濃度が高いと思います。
実は沖縄の方へ行ってクジラだとかマグロだとかを買ってきて調べたところ、北海道に比べると沖縄のクジラやマグロの水銀濃度が高く出ました。

[野宮]
それは何か原因は考えられるんですか

[先生]
おそらく火山の影響だと思います。
と言うのも、南の方ほど火山が多くて、そこから水銀が火口からでているからだと思います。

[野宮]
じゃ北海道周辺は低いということですね。南へ行く程高いと…
あと、先週水銀について少し伺いましたが、水俣病の原因となったのはメチル水銀と言われるものなんですが、これは水銀がどうなって出来るものでしたでしょうか

[先生]
簡単に言いますと、水銀がメチル化して出来たものです。
つまり我々が科学的にメチル化することも出来ますが、自然界で微生物が無機水銀をメチル化してメチル水銀を作っています。
ですから、無機水銀が毒性が低いからと言って安易に環境に放出しているとメチル水銀がで出来てしましうんです。
そしてメチル水銀が出てきてしまうんです。

[野宮]
そういったものが溜まっている魚は、やはり、特に妊婦さんは気を付けて方がいいということは、赤ちゃんにどんな影響があるんですか

[先生]
赤ちゃんの神経発達が少し悪くなると言われています。
ただお母さんがどれだけ魚を食べているかによって違ってきますが、クジラやマグロを食べているお母さんから生まれた赤ちゃんの歩く時期が遅いとか、言葉をしゃべる時期が遅いとか…、そういう事が分かっています。

[野宮]
お母さんがそういう水銀などが溜まった魚をたくさん食べ過ぎてしまうと、どういうメカニズムで赤ちゃんの方に水銀がいくんですか

[先生]
胎盤を通じてメチル水銀は通過してしまいます。
ただ普通胎盤は赤ちゃんを守るため毒物は通さないと言われています。
ところがメチル水銀の場合は胎盤を通過してしまうんです。

[野宮]
それはどうしてですか

[先生]
システンというアミノ酸があるんですが、それと結合するとメチオニンという…、これも大事な必須アミノ酸なんですが、それとメチル水銀が同じような形になってしまい通過させてしまうんです。

[野宮]
じゃ、メチオニンというのは人間にとって大事なアミノ酸なんだけれども、とても似ているですね。
それはちょっと困りますね。

[先生]
それで赤ちゃんの方のメチル方がお母さんよりメチル水銀濃度が高いんです。
赤ちゃんは体を作っていく時期ですから悪い影響が強く出てしまうんです。

[野宮]
こういう事が分かったのは最近の事なんですか

[先生]
つい最近です。まだ、10年くらい前でしょうか。

[野宮]
じゃ、今後また先生のような研究が進むと、もっとお母さん達には重要な情報がドンドン出てくる可能性がありますね。
もう1度おさらいしますと、厚生労働省から出ているのは、週に1回、1食に80g程度のマグロだと心配ないということですね。
もし心配というお母さんは厚生労働省のホームページをしっかりご覧になってください。

また来週以降、海の中のお話について伺いたいと思います。

今日はありがとうございました。

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