ライブ&イベント タイムテーブル DJ メール プログラム 特別番組 ゲスト情報 最新情報 TOP
AIR-G' ON AIR LIST 2014/7/28 15:10 ♪Summer Darling/chay AIR-G' ON AIR LIST
放送中のプログラム Sparkle Sparkler 15:00〜15:55
メディカル コロンブス

[最新ON AIR]

2010年2月17日

遺伝子と医療3

[野宮]
「ヒトゲノム計画」によって、遺伝子の並び方であるとかが個々人によって違う事がだいぶ分かってきました。
それによって洋服のサイズを測って洋服を作るように、医療もそれに合わせた医療を受けられる時代がすぐそこまできているというお話を2回にわたって伺いました。
今日は、その中でも特に「遺伝子と生活習慣病」との関わりについてお聞きします。

[先生]
まず最初に、「生活習慣病」がどういう事かと言いますと、病気の発祥といいますか、なりやすさに遺伝的要因と環境要因(生活習慣)の2つが関係しているのが「生活習慣病」です。
遺伝的な意味から言葉を変えますと「多因子病」、つまり遺伝子は1個じゃなくて複数が関係していています。
生活習慣も複数が関係しているので、関わる因子が多いので「多因子病」と言われています。

[野宮]
生活習慣病というと環境だけが悪い、自分の生活習慣だけが悪いから病気になるのか…と思ってしまいますが、2つの要因があるんですね。

[先生]
その要因のうち、遺伝的なものが6割、環境が40%位と言われています。
一般的にも高血圧の家系や糖尿病の家系があります。
遺伝的な要因があることは皆さんなんとなくご存知ですよね。
それがどれくらいの遺伝子がその遺伝に関係しているか…、というのが、今その研究の途上です。

[野宮]
生活習慣病の2大疾患とも言われます「高血圧」と「糖尿病」なんですが、たとえば高血圧に関して遺伝子レベルで見ると、どこまで分かっているんですか?

[先生]
たくさんの遺伝子が関係しているのが分かっていますが、日本人に関する興味深いことがあります。
ご存知のように日本人はだいだい30歳以上の方を見ますと男性では約半数、女性では4割の方が高血圧症で治療されています。
この高血圧症は、アンギオテンシンノーゲンというタンパク質があるんですが、その235番目のアミノ酸がメチオニンの人とスレオニンの人に分かれるんです。
日本のデータで、この中でスレオニン人が高血圧症になりやすい事が分かっています。
尚かつ、スレオニンの人で少し小太りな人がなりやすいという事も分かっています。
では、どうしてこれが分かったか…と言いますと、このスレオニンは人間だけじゃなくサルやチンパンジーも持っていているんです。
それを調べたところ、数万年前の人間の太古の昔、人間は塩の少ない生活をしていたと思われます。
これは他のすべての動物もそうなんですが、その塩の少ない状態でも血圧をある程度高く維持していかないと生命に影響がありますから、そういう少ない状態でも血圧を高めるという意味で、倹約遺伝子と言われています。
ところが、文明が発達してから塩の量をたくさん摂るようになり、特に日本人で北海道の人は寒いから塩分を多くとりますね。
ですから、高血圧になるようになった…。それが今の仮説です。
似たような事が糖尿病にもありまして、これは日本人でアディポネクチンという遺伝子の多形を持っていますと、先程と同じように小太りになった時に糖尿病になりやすいという事が分かっています。

[野宮]
これは、要するに小太りになりやすい遺伝子なんですか?

[先生]
そうではなく、小太りになることで糖尿病が発祥するんです。
おもしろい事に大太りは関係ないんです。
また、痩せた人でも糖尿病になる遺伝子が見つかりました。
これはどういう意味かと言いますと、日本人やアジア人は農耕民族です。
白人のような狩猟民族ではないんです。
そうすると、農耕民族というのはいつも農作、不作の状態で、特に不作の時は飢餓と背中合わせで生活してきました。
ですから低カロリーなのに血糖を100mgに維持する…、そういう倹約遺伝子があるわけなんです。
ところが文明の発達によって必要以上にたくさん食べるようになって、血圧が高くなって糖尿病が発祥すると言う訳です。
そういう事が言われています。

[野宮]
ということは、遺伝子の方もあまり塩分は必要以上に取りなさんな、あまりおいしい物ばかり取りなさんな、と遺伝子の方でも言っているという事ですね。
でも人間の体というのは知れば知る程良くできているんですね。
この高血圧症と糖尿病だけを見ても、今分かっている段階でもここまで分かってくると、この先、たとえばガンであるとか、こういった病気というのも、遺伝子が特定される事によって治療であるとか予防法というのは相当期待できますか?

[先生]
ガンは遺伝性のものと非遺伝性のものがありますが、特に遺伝性のものはだいたい遺伝子にキズつくと発祥する事が分かっています。
非遺伝性のものは、すべて分かっている訳ではありませんが、白血病などでは原因となっている遺伝子の働きからタンパク質分かります。
そのタンパク質が分かるとその働きが分かります。
それを逆に利用して治療法、治療薬が開発されてきて、ご存知でしょうか…、慢性骨髄症(白血病)は最近は遺伝子の働きから薬が開発されてほとんど100%治る状態になりました。
遺伝子の働きからガンになるメカニズムを逆手にとって薬が開発された訳です。

[野宮]
「ヒトゲノム計画」がもたらす恩恵は本当に果てしなく広がっているんですね。

[先生]
それを波及効果と言いまして、その波及効果の中で私が感激しているのは「ヒトゲノム計画」が多様性を尊重するという社会的な考え方です。
でも残念な事に、たとえばいじめは多様性を尊重してない訳ですから、画一的なそういう集団の中ではみ出した人をいじめる訳ですね。
ですから、そうではなくもともと人はゲノムで、遺伝子にはじめから多様性が保障されているんです。
それを全て、この考えが社会にいき渡っていくと、いじめをなくしたり差別をなくしたり、そういう社会になるような波及効果を期待しています。

[野宮]
今年、生物多様性年ですが、人間も遺伝子で多様性を持っていて皆違うんだから皆いいじゃない…、というそういう考え方に繋がっていくという事ですね。
遺伝子というのは目に見えない小さなものですが、教えてくれるのは果てしなく大きいと思います。

来週は、この遺伝子が分かる事によってどんな未来があるのか…、
未来のお話を伺っていきたいと思います。
今日はありがとうございました!

2010年2月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28
前の月   次の月
PROGRAM
最新ON AIR
過去の放送リスト
Mail


北海道医療大学

Vivid Couleur