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[過去の放送]

2012年10月28日

縄文中期

今から約1万3千年前から1万年以上も続けられた縄文文化。
今週は<縄文中期>がテーマです。
お話をうかがったのは「苫小牧市博物館学芸員 赤石慎三さん」です。

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縄文中期は今から約5500年~4500年前。
全国的に見ても遺跡数も増え、人口の増加や生活領域の拡大が見られます。
それは、食料事情の安定が背景にあったと考えられています。
鮭に代表されるような海産物、山にはクリやクルミなどの木の実と山菜など。これらを干したり燻製にしたり、土器を使いアク抜きをするなど食料資源を加工し保存する技術が定着してきたようです。
秋には冬期間も含めた1年間生活する分を集落の皆で採集するなど、“共同体意識”も窺えます。
この時期の遺跡である苫小牧市の静川遺跡では、大きな溝を掘って廻らす「環濠」といった大土木工事跡も見つかっています。
また、中期前半にかけての「円筒土器文化圏」は、北東北と北海道南西部に拡がっていた共通する文化。
交易はもっと古い時代から行われていたと考えられていますが、この時代には特に津軽海峡の行き来が活発に行われていたようです。
青森の三内丸山遺跡からは北海道式の物をすり潰す道具や、北海道の黒曜石を使った石器なども出土しています。
取材中風景拡大画像
中期後半には、現在とほぼ同じ気候になってきたといいます。
よって、海も後退し海岸線もほぼ現在の形に近づいてきました。
貝類が獲りやすい状況の遠浅の海も後退してしまいます。
この頃になると貝塚・貝類があまり見られなくなります。
その時期の遺跡、函館市の大船遺跡からはクジラやオットセイなどの海獣の骨が出土しています。
縄文中期は、生活が安定した前期を引き継ぎながら確立させ、様々な活動が活発に行われるようになった充実期。
「衣食住が足りて、その安定の中で、文化的なもの等に取り組めるようになった時代」とも赤石さんがおっしゃっていました。

●今週のプレゼントは“海産物の加工品”です。

★番組の感想をそえて、11月3日(土)までに応募してください。
海産物の加工品拡大画像
○来週のキーワードは「定山渓発電所」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約30分。
縄文前期までは平均気温が高かったそうです。
そのために海岸線が今よりも内陸まで入っていたそうです。石狩低地帯は海で現在の栗山あたりまで海が迫っていたそうですよ。

2012年10月21日

倒木更新

今週のキーワードは<倒木更新>。
倒れた木の上で、次の世代の種子を発芽させ、幼木を生長させていくことを言います。
お話を「北海道林業技士会 会長 西川瀞二さん」にうかがいました。

西川瀞二さん拡大画像
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北海道の森林の特徴は「針広混交林」。そんな中でひっそりと繰り広げられているのが樹木の世代交代の手段<倒木更新>なのです。
普通、樹木は種子を地面に落とし発芽させますが、山林にはクマザサが一面に生茂り、種が地表で発芽・生長するのは至難の業です。
また、ササ類などがなくても、土壌には色々な菌類がいて、特に針葉樹の場合は病気にかかってしまうのだそうです。
中でもクロエゾマツは倒木更新でなければ次の命を繋ぐことができないといいます。
北海道の天然林を代表する樹木クロエゾマツは「北海道の木」に指定されています。
枝は斜め下に伸ばし、順調に育てば200年から250年も生きて、高さ20mを超える大木になります。
木材としても優秀で、昔から重要な木とされてきました。
樹木が風や年老いて倒れるとやがて腐朽し、その上に木の種子が落ち、芽を出します。
倒木の上に芽を出すことで、ササなどの下草による日照不足も少なくなります。
また、倒木自身が朽ちて養分の供給源にもなります。
しかし、倒木に苔がはえるまでにも数年、それからやっと発芽し、幼木が目に見える高さに育つまでには20年から30年も。
立派な親木に生長するのには200年以上もかかるのだそうです。
収録中風景拡大画像
森の中では、倒木の上に小さな若木がズラリと、まるで植林でもされたかのように一直線に並んでいる風景に出会うことがあります。
また、札幌から石北峠を車で上って行くと、トドマツが混じるクロエゾマツ林が見えてきます。
その天然林はまさに倒木更新で形成されたものだそうです。
長い長い時間を経て、実に壮大なドラマを連想させる森の自然の営みが行なわれているのです。

●今週のプレゼントは“木製のボールペン”です。

★番組の感想をそえて、10月27日(土)までに応募してください。
木製のボールペン拡大画像
○来週のキーワードは「縄文中期」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
倒木更新という言葉は林業にたずさわる方々は良く聞く言葉だそうです。私たちにはあまり耳馴染みがありませんね。北海道はこの倒木更新が行われている地域だそうで、自然が残っている所でないと行われないとのことですよ。

2012年10月14日

北海道中央フライウェイ

今週のキーワードは、渡り鳥の飛行ルート<北海道中央フライウェイ>でした。
お話をうかがったのは「宮島沼・水鳥湿地センター 牛山克巳さん」です。

牛山克巳さん拡大画像
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マガンやコハクチョウなどが利用する、苫小牧から秩父別、旭川へと抜けるルートを「北海道中央フライウェイ」といいます。
太古の時代から石狩川が形成したこの石狩平野には 農村が広がっていて、沼や川も多くあり湿地も残され、森林環境にも恵まれています。
鳥類にとっては、ねぐらもありエサ場もある恰好の地。
南北に移動する、ガン・カモ・白鳥の仲間が好んで利用しています。
ちなみに「道東フライウェイ」もあり、オオハクチョウなど沿岸の湿地を好んで利用しているそうです。
種類によって渡りのルートは違うのです。
「北海道中央フライウェイ」のルート上には、世界に類を見ないほどマガンが飛来する「宮島沼」があります。
マガンは、 夏は極東ロシアで繁殖し、8月下旬頃から南下を始め9月下旬には中継地である宮島沼に到着。
しばらく過ごしてから最終的に宮城県の伊豆沼や蕪栗沼周辺で冬を過ごします。 春にはその逆で北へ戻ります。
距離にすると約4000kmを移動。
また、ロシア側の最終地点であるカムチャツカ半島近辺から宮島沼までの約1000~1500kmを一気に10数時間で渡ってくるそうです。
V字編隊を組んで、時速100km前後でも飛ぶそうです。
宮島沼拡大画像
以前は渡り鳥がどこから来て、どのルートでどこへ行くのかが、なかなか分からなかったそうですが、近年は小型発信機も開発され、衛星によって鳥の移動を追うことができるようになったそうです。
北海道は渡り鳥を数多く観察できる地域の一つです。
ロシア大陸と本州の中間という立地のため、渡りのルート上の中継地点として重要な役割を果たしているからです。
他、遠くは東南アジアやオーストラリアなどで過ごし、夏に北海道で繁殖する夏鳥。
数は少ないですが、冬に北から北海道に渡り冬期間をここで過ごす冬鳥もいます。
このように、時期によって、飛来する地域によっても様々・・・そう、多様で豊かな自然が残されている北海道には、種類も、数も、多くの鳥達がやって来るのです。

●今週のプレゼントは“デコイ”です。

★番組の感想をそえて、10月20日(土)までに応募してください。
デコイ拡大画像
○来週のキーワードは「倒木更新」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
今回のインタビュー約25分。
石狩低地帯。太古のころ、石狩川は苫小牧方面の海にそそいでいたこともあり、この低地帯が広がり、長い時間をかけて鳥たちはこのルートを選んだのでしょうね。

2012年10月7日

旧函館区公会堂

今週のキーワードは、函館を代表する歴史的建造物<旧函館区公会堂>。
国の重要文化財にも指定されています。
お話を「市立函館博物館館長 田原良信さん」にうかがいました。

田原良信さん拡大画像
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函館を代表する坂道のひとつ「基坂」を登りきった所に建つ、ブルーグレーとイエローのツートンカラーが印象的な、木造2階建ての華やかな西洋風の建物です。
ところで、なぜ「函館区」なのでしょうか?
公会堂が建てられた時期は、現在の行政区画とは異なり、市制町村制が施行されておらす、函館に限らず今の市に相当するものは札幌区・小樽区などと呼ばれていました。
 浜風の強い函館では大火事になることが多く、1907(明治40)年の大火では当時の市街地の4分の3をも焼失したといいます。
住民達の集会所である「町会所」も失われ、住民の寄付金などで新しく建てたのが<旧函館区公会堂>なのなのです。
総工費5万8631円20銭。(現在ですと何億という額です。)
その内の5万円は当時の豪商初代・相馬哲平個人からの寄付。
また、他の区民らも大火被災者に対する義援金を辞退し建築費に当てるなどして資金を作ったといいます。
そして、1909(明治42)年5月に着工し、翌年9月に完成。
旧函館区公会堂拡大画像
設計者は役所の建築技師小西朝次郎。
工事請負は大工棟梁村木甚三郎。
洋風建築ですが外国人は全く係わっておらず、全て函館区の住民や役所職員ら等で建てたのだそう。
そう、函館にとって洋風的なデザインは明治初期からずっと使われてきたもの・・・もうこの頃にはごく普通に建てられていたといいます。
構造は、本館の平面積は894.538㎡。木造2階建。1階には食堂・ビリヤード室・寝室・会議室などの小部屋、背面には円柱を立て吹放しの廊下。
2階の大部分は講堂としての大広間・貴賓室、 正面には広々としたバルコニーもあります。
天井の壁紙や暖炉のタイルなどのデザインには、20世紀前後にフランスなどヨーロッパ各国で流行したアールヌーボー調が。
また、華麗な装飾の中に和の要素も見られます。
<旧函館区公会堂>それは明治函館大火からの復興の象徴で、函館のランドマーク的存在。優れた技法やデザイン等からは明治期の、函館の文化水準の高さも知ることができます。

●今週のプレゼントは、お洒落な“ストール”です。

★番組の感想をそえて、10月13日(土)までに応募してください。
お洒落な“ストール”拡大画像
○来週のキーワードは「北海道中央フライウェイ」です。

<ディレクターYの編集公後悔記>
今回のインタビュー約40分。
函館では公園やこの公会堂のような市民のための建物は、当時、繁栄していた函館の商人により、寄付や土地の利用などが行われていました。自分が商売であげた利益を市民に還元する奉仕の気持ちが根付いているそうですよ。

[過去の放送リスト]

2012年10月28日

10月28日の放送

今から約1万3千年前から1万年以上も続けられた縄文文化。
今週は<縄文中期>がテーマです。
お話をうかがったのは「苫小牧市博物館学芸員 赤石慎三さん」です。


2012年10月21日

10月21日の放送

今週のキーワードは<倒木更新>。
倒れた木の上で、次の世代の種子を発芽させ、幼木を生長させていくことを言います。
お話を「北海道林業技士会 会長 西川瀞二さん」にうかがいました。



2012年10月14日

10月14日の放送

今週のキーワードは、渡り鳥の飛行ルート<北海道中央フライウェイ>でした。
お話をうかがったのは「宮島沼・水鳥湿地センター 牛山克巳さん」です。


2012年10月7日

10月7日の放送

今週のキーワードは、函館を代表する歴史的建造物<旧函館区公会堂>。
国の重要文化財にも指定されています。
お話を「市立函館博物館館長 田原良信さん」にうかがいました。


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山口 由美
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私たちの住む、ここ北海道には、まだまだ、知らない自然や文化、そして歴史の魅力が一杯あると思いませんか。

知っているようで知らない「コト」や「モノ」の宝庫。まさに北海道は宝島ですね。

この番組は、毎週いろいろなキーワードについて、北海道の自然が持つ魅力や不思議をゲストの方のお話を交えながら、楽しくゆったりとお送りするプログラムです。

さて、今週はどんな宝物に出会えるでしょうか。