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[過去の放送]

2015年12月20日

宗谷海峡

 今週のキーワードは<宗谷海峡>。
お話をうかがったのは
「北海道大学低温科学研究所 准教授
深町 康さん」です。

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 稚内・宗谷岬とサハリンの南端クリリオン岬との
間にあるのが宗谷海峡。
日本海とオホーツク海を結ぶ日本最北の海峡です。
国際的な名称は「ラ・ペルーズ海峡」。
ここを発見したフランスの探検家の名から付けられました。
宗谷海峡を挟んで北隣は外国、ロシアではありますが、
海峡幅は狭く約42㎞。札幌から新千歳空港に行く位の距離です。
ここは国際海峡であり、特定海域として海峡の一部を公海とし、
外国の船も自由に通過することができます。
海峡内の地形はV字形に、サハリンと
北海道、両側から段々深くなっていて、
中央の最も深い所で約60m、かなり浅い海峡です。
かつて、氷期の時代には、サハリンと地続きとなり、
また、ユーラシア大陸とも繋がっていました。
そして、現代はこの海峡が境界となり、
動物分布の境界線「八田線」が通るとされ、
日本の多くの動物の北限を北海道に示します。
宗谷海峡の潮流は急で、日本海を北上する
対馬暖流の一部が枝分かれし「宗谷暖流」となり、
オホーツク海に入ります。
そう、北海道の北東海岸に沿って
南東に流れゆく暖流が宗谷海流です。
その影響から、稚内で流氷が観測されることは殆どないのです。
また、その流れの駆動力は、海峡の両側、日本海北部と
オホーツク海南西部の水位の差によるもの。
特に暖かい時期は、水位差の増大にしたがって
流速が大きくなります。
一方、冬場は弱くなり、このように季節によって
流速が変動する特徴をもつそうです。
また、この水位差で流れゆく平均的な流れと
短い時間で変化する流れもあり、この二つが絡み合うようにして
水量が変化するのだそうです。

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 宗谷海峡は、タコやホタテ、ホッケ等など
漁場としても重要な海域です。
北大の低温科学研究所では、海流の速さや
水量をモニタリングしているそうです。
例えば、タコ漁、その漁法は「いさり樽流し」や
「たこ箱」など海流にまかせて漁具を流し、
これは流れが速すぎても遅すぎても巧くいかないのだそう。
海流観測によって適した流速を事前に把握することができ、
データをリアルタイムで公開し漁を支えています。
しかし、この宗谷海峡、北海道側のことは調査が進み、
ある程度分かってきているのですが、
サハリン、ロシア側についてはまだ謎が多いのが現状だそう。
深町先生は「共同で調査・研究ができると良いのですが。」
「未知の部分があるからこそ、
研究者として宗谷海峡は面白い存在。」とも
おっしゃっていました。

●今週のプレゼントは、“宗谷の塩”です。

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番組の感想をそえて、12月26日(土)までに応募してください。

来週のキーワードは「昆布巻き」です。

<ディレクターYの編集後悔記>
水深が深いところでも60mしかないとはびっくりしました。
何度か稚内には行っていましたが冬に行ったことがなく、
この海流によって流氷が接岸しないんですね。
夏と冬では海流の速さがずいぶんと違うそうですよ。
夏のほうが早いとのことです。


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山口 由美
Yumi Yamaguchi

私たちの住む、ここ北海道には、まだまだ、知らない自然や文化、そして歴史の魅力が一杯あると思いませんか。

知っているようで知らない「コト」や「モノ」の宝庫。まさに北海道は宝島ですね。

この番組は、毎週いろいろなキーワードについて、北海道の自然が持つ魅力や不思議をゲストの方のお話を交えながら、楽しくゆったりとお送りするプログラムです。

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